日台稲門会が第27回の定期総会開催

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集合写真

日台の交流に尽力する早稲田大学OB会「日台稲門会」は6月10日、早稲田キャンパス26号館(大隈記念タワー)で第27回定期総会を開催した。2022年度の事業報告と決算報告の後、2023年度の事業計画などが発表され、役員変更と合わせすべて承認された。

日台稲門会の定期総会で議長をする三村達会長

 総会終了後に記念講演会が開催され、講師に台北駐日経済文化代表処の謝長廷代表が「台日関係の現状と見通し」と題する記念講演が催された。

新会長の根本宏児氏

 謝代表は「歴史的に深い関係があり隣国である日本と台湾との絆は強く、自由と民主主義を共有する大切な友人であり、経済的な結びつきも強い。また台日間には地方自治体交流協定が締結されており、そのうち私が代表として就任後の7年間で98の地方自治体交流協定が締結されました。現在は159となっています」と実績を語った。この理由として「日本も台湾も島国のため、互いに水害や地震などの天災に見舞われやすい。困ったときに相互に助け合う関係性が構築されているからです。とくにコロナ禍では、台湾からマスク、日本からワクチンの提供がなされました。こうした日本と台湾との “善の循環”が形成されています」と良好な関係を強調した。また「世界を見れば隣国同士の仲が良いという事例は少なく、日本と台湾との間にある“善の循環”を世界は見習っていただきたい」と述べた。

講師の謝長廷代表

 また「覇権を強める中国による東アジアの緊張は高まっています。世界のグローバル化の中で、もし台湾海峡で有事となれば世界経済への損失は計り知れず、世界の平和は守れなくなります。台湾有事は日本有事であり、世界の平和を守るためにも、台湾が強くなり自国を守る必要があります。つまり台湾が自衛のための抑止力を持つことであり、また世界平和維持のために国際社会が結束力を持つことが大切です」と力説した。

総括をする河崎真澄教授

 その後、来場者らと質疑応答があり、最後に元産経新聞特別記者で東京国際大学の河崎真澄教授が講演の総括と謝代表の人柄について語った。講演会終了後は来賓、会員・会友、留学生などによる「日台交流の集い」も開催された。

謝長廷代表と日台稲門会の役員

 今回の講演会にはWTSA(早稻田大學台灣留學生會)の20人を含む約90人の参加があった。