台北市を拠点に布袋劇(ポテヒ)の公演活動を続けている「台北木偶劇団(タイペイ・パペット・シアター)」は8月7日、東京都内の下北沢小劇場で、布袋劇の「劈山救母(へきさんきゅうぼ)」の公演を行い、100人近い観客を魅了した。
布袋劇は指先で人形を操る台湾伝統の人形劇で、台湾では老若男女を問わず人気があり、親しまれている。同劇団は7月28日に福島県白河市で、続いて8月3、4日に長野県で開かれた「いいだ人形劇フェステ2023」に参加公演し、日本巡演の締めくくりとしてこの日に東京講演を行った。東京では昨年、杉並区で初めて公演した。2年連続となった今年の東京公演は台湾文化部(文化省)、台北駐日経済文化代表処台湾文化センターと会場の本多劇場グループの共催。
演目の劈山救母は、主人公が「山を劈(開)いて母を救う」というストーリーで、布袋劇の代表作の一つ。主人公のほか孫悟空や二郎神らが活躍する。今回の公演は台北から演劇台を持ち込み、劇団員の生演奏で行われた。主人公と二郎神が戦うシーンなどアクロバッチックな動きが連続して展開され、観客からさかんに拍手が上がった。
観客の50代の女性は「初めて布袋劇を見ました。人形の操り役と演奏する劇団員の息が一致していて、小さな人形がダイナミックな動きをして、とても面白かった」などと感想を語った。同劇団は日本公演に手ごたえを感じており、「また機会があれば、東京公演を行いたい」としている。