台湾フェアを「台湾タウン」につなげたい

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関係者のテープカット

世界一の半導体製造企業TSMC(台湾積体電路製造)の進出に沸く熊本で10月11日~16日に台湾フェア「你好台湾」が開催された。このところ熊本では多くの台湾関係のイベントが開催されているが、これは鶴屋百貨店が主催し、熊本の人に「食」を中心に台湾を知ってもらい、身近に感じたところから台湾旅行に行ってもらうところまでつなげようという催しで、初日から大勢の来客でにぎわった。

開会式には、蒲島郁夫・熊本県知事、中垣内隆久・熊本市副市長、陳銘俊・駐福岡台湾総領事、黄文榮・IEAT(台北市出口商業同業公会)秘書長が招かれ、久我彰登・熊本商工会議所会頭や福岡哲生・鶴屋百貨店社長とともにテープカットを行った。

人気屋台のグルメやスイーツを揃えた「食べ台湾」、カラフルでかわいい日用品の「彩り台湾」、台湾の見どころを紹介する「行き台湾」などのテーマごとのブースにお客様が立ち寄り、台湾を知る人には「郷愁」を、まだ知らない人には台湾旅行への憧れを誘っていた。

台湾の食べ物を求めるお客様

フェア前日にはレセプションが開催され、台湾側からは出展企業、IEAT、台湾観光協会、日本語教育機関の代表者と駐福岡総領事が、日本側からは熊本県、熊本市の代表者や新聞、テレビ関係者、百貨店幹部等が参加して、翌日から開かれるフェアの内容が説明され、挨拶を交わして懇談した。

その中で、久我彰登・熊本商工会議所会頭は、熊本の人々には台湾フェアを通じて台湾の産品を体験し、好きになって台湾へ旅行するきっかけを作りたいこと。また逆にすでに熊本に来ているTSMCの関係者などを招いたウェルカムパーティーを近く開催して、熊本の名産品や県内観光地を紹介して熊本の良さを知ってもらい、台湾から更に多くの人の来訪を促し、交流促進を図りたいこと。また長栄大学、東呉大学、淡江大学の3大学と熊本県商工会連合会がスタートさせたインターンシップ事業を充実させて台湾と熊本が手を携えて発展してゆくことを願っていると述べた。

久我彰登・熊本商工会議所会頭の挨拶

次いで挨拶に立った木村 敬・熊本県副知事は北京語で「皆さんにお会いできて嬉しいです」と言った後、まず2016年の熊本地震や2020年の豪雨災害など、熊本県に立て続けに起きた大きい災害に際して台湾から寄せられた温かい励ましの言葉や多額の義援金に対する謝意を述べた。

熊本県のサポート体制について話した木村副知事

また、熊本県と高雄市が友好都市となった5年間を振り返って、観光、経済、青少年交流など様々な分野で活発な交流の実績が上がっていること。更にいまTSMCの進出や、台北との直行便の開設によって、台湾との交流が加速していることに触れ、県として、外国の人々が安心して観光したり生活するためのサポート体制を全力で構築していることを報告した。

「台湾タウン」について熱く語った陳総領事

陳銘俊・駐福岡台湾総領事は「世界一の親日国である台湾と縁が深いのは九州であり、その中でも熊本は群を抜いている。今またTSMCの進出で更に結びつきが強くなった」と切り出した。 「また産業の米と言われる半導体を通じて熊本は九州の都となるだけでなく、世界のサプライチェーンの中心となることは確実であるが、ここにぜひ欲しいのは「台湾タウン」である。日本には横浜、神戸、長崎に「中華街」はあるが、これらは台湾タウンとは違う。今後熊本に住む台湾人にサービスするだけでなく、日本の名所として全国や世界から人を引き寄せる台湾タウンを作るチャンスは熊本にしかない。今度の台湾フェアが台湾タウンに繋がることを切に願う」と熱く語った。

大きい夢を膨らませた参会者たち

その後各界の代表者が台湾フェアの成功を願い、それによってもたらされる効果や夢を大きく膨らませながら懇談してレセプションを終えた。