鹿児島県(塩田康一知事)と屏東県(周春米知事)はこのほど、友好交流協定を締結した。双方はこれまで、両議会を通じて2021年に友好交流協定を締結しており、意欲的にパートナーシップの構築に努めてきた。その友好関係は両県全体へと広がりを見せ、昨年に周県知事が鹿児島を訪問して自治体同士の締結を模索。塩田知事が1月22日に屏東県を訪問して協定が締結され、同日に締結の式典が開催された。日台間の良好なパートナーシップが構築された証左でもある。
この日の式典には駐日経済文化代表処の謝長廷代表もオンラインで参加した。謝代表は2021年の両県議会締結にも立ち会っており「両県の同盟関係を改めて確認したことは誠に意義深い。近い将来、両県による友好交流締結の日がきっと訪れると信じてきた。締結式が本日実現し感無量だ。鹿児島県と屏東県は、豊富な農産物や海産物、南国特有の温かい人情など、多くの共通点がある。本日を皮切りに、様々な交流や議論を通じて、農業、漁業をはじめ経済や観光、文化発展等の分野で共に協力し推進できることを心から願う」と述べた。
周知事は「本日の調印式のために遠方から県職員を率いて来られた塩田知事を、言葉では言い表せない程の誠意と真心で歓迎します。これまで議会レベルで積み上げてきた友好関係を基礎に、今後は協力分野を拡大し、県民の幸福と利益のために連携を続け、台日間で最高の姉妹関係を共に築いていきたい。」と述べた。
陳銘俊駐福岡総領事は「九州山口は歴史的に日本と台湾の関係が最も密接な場所であり、過去2年間で姉妹都市関係を結んだ市町村の数は、国交断絶以降の数十年間と比べても2倍以上に増加している。昨年(2023年)は屏東県や屏東里港郷をはじめ、嘉義県、雲林県、新竹県、高雄市、花蓮市、基隆市、彰化市、花蓮豐濱郷、新竹寶山郷、宜蘭礁渓郷の各首長が代表団を率いて九州山口を訪問し、同地からも各首長による台湾訪問団が後を絶たない。昨年7月の台南市と山口県の友好協定締結に続く屏東県と鹿児島県との今回の締結は日台関係が深化を続ける最良の証である。年初に発生した日本の能登半島大地震の際には、台湾は直ちに救助隊派遣の態勢を整え義援金口座を開設するなど官民の区別なく深い関心を示した事で、心と心で堅く結ばれる貴重な友好関係が改めて浮き彫りになった。当處は様々な分野における台日交流の可能性を探求し、実質的な連携を促進し、より強固な友好関係を構築していきたい」と述べた。