高島宗一郎福岡市長が福岡領事館をお見舞い訪問

0
福岡市の高島宗一郎市長(左)が福岡領事館を訪れてお見舞いの言葉と義援金を贈呈した

4月3日の台湾東部地震以降、台湾の人々の安全を気遣った多くの見舞客が在日台湾代表処・弁事処(大使館・領事館)を訪問してお見舞いの気持ちを伝えたり復興のための義援金の贈呈を申し出ているが、5月10日には福岡市の高島宗一郎市長が福岡総領事館を訪れ、陳銘俊総領事にお見舞いの言葉を伝え、市民らから寄せられた義援金530万円超を贈呈した。

 福岡市では今回の地震発生の直後から市庁舎内で「台湾東部地震救援募金」を呼びかけたところ、市職員をはじめ庁舎を訪れる人などから応募が相次いだという。

 高島市長は「日本と台湾には国交はないが、どちらかが自然災害に遭うあるたびに助け合ってきた。1999年の台湾大地震、2011年の東日本大震災、2016年の熊本大地震などだけでなく、福岡でも2005年3月の福岡県西方沖地震など、相互が助けあった例は多い。ある意味では災害の多い地域同士だからこそ助け合える立場にいる。台湾の皆様の一日も早い復旧・復興のために福岡市民の支援がお役に立つことを願っている」と述べた。

 これに対して陳銘俊総領事は「支援金は1円の無駄もなく復旧・復興に役立てたい。台湾と日本は兄弟のような国だが、とくに九州とは結びつきが強い。日本統治時代の台湾総督は九州・山口出身者が半数を占めている。近代台湾のインフラにはいまも日本時代に作られたものが沢山使われている。現在の総統府の建物は福岡出身の明石元二郎が構想したものだ。また私が子供の頃大雨で、新しく架けられた橋が流された時も日本時代に作られたものは無傷で残り、大人たちが『やっぱり日本時代のものはしっかりしている』と話し合っていたことを思い出す」と述懐した。

台湾茶とドライフルーツを食べながら懇談する陳総領事(右)と高島市長

 堅苦しい挨拶の後、台湾産のお茶とドライフルーツが出されたところで、話題は「熊本に進出するTSMCなど」先端技術分野における日台の協力関係に及んだ。

その中で高島市長が「半導体に関して日本は台湾に大変お世話になっている。九州全体でしっかりしたサプライチェーンを作っていきたい」と述べたのに対して陳総領事は「半導体に関しては、台湾と日本は補完関係にある。日本の優秀な材料や周辺技術と台湾の製造技術がドッキングすれば世界一の製品がスピーディに提供できると思っている」と応じ、今後は半導体以外にAIやバイオテックなどの分野でも協力し合いたいと語った。

新しい技術分野について、高島市長が福岡市と台北市との間で結ばれている「スタートアップ企業の応援協定」に言及したのに対し、陳総領事からは「元気に発展を続ける福岡市と台湾の交流が日台の新しい時代を開くことを期待する」として、両者が更に交流を進めるための努力を重ねる方向を確認した。

最後は今回の義援金贈呈に関する感謝状が陳総領事から高島市長に手渡され、贈呈式を終えた。

義援金の目録と感謝状を見せ合う高島市長(左)と陳総領事