日台双方向交流プログラム第四弾が小豆島で開催

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作者の奥様が作品の紹介をしている
作者の奥様が作品の紹介をしている

 日台双方向交流プログラムの第四弾が5月18日、香川県の小豆島で開催され、台湾嘉義出身の芸術家の王文志さんが瀬戸内国際芸術祭に出展した「抱擁・小豆島」の完成を祝う記念式典を開催した。

 式典は主催者の挨拶から始まり、作品紹介、お祝いの歌、記念品贈呈などが行われた。お祝いの歌は、地元香川県出身で、まんのう町観光大使を務めている声楽家の大西貴浩さんによる、ハープの弾き語りで「いつも何度でも」「さくらさくら」が情感豊かに歌唱された。千葉県庁からの記念品に加え、千葉大学の横手幸太郎学長のお祝いメッセージも披露された。記念品は千葉と嘉義のつながりをモチーフにした記念のタペストリーだった。

 本交流は、令和5年度の2024年2月末に千葉大学教職大学院のグローバルフィールドワークI「日台双方向交流プログラム」で、台湾嘉義社会人の日本語クラスと交流した事から始まった。現職の先生らが多く学ぶ教職大学院では、現役の大学生や高校生との交流ではなく、同世代となる社会人との交流による効果を探るために企画したもの。

 当初の予想を超える「心と心の交流」が生まれ、嘉義社会人日本語クラスのメンバーの一部が翌年度の夏に千葉大学を来訪し(第二弾)、これを受けて千葉大学が新しいメンバーを加えて再び嘉義を訪問した(第三弾)。

記念式典後の集合写真
記念式典後の集合写真

 こうして双方向の交流が繋がり「嘉義高校から茗渓学園に留学している学生のおもてなしツアー」や「次に日本に留学したい学生に対してオンラインの面接指導」などに波及している。

 千葉大学の担当者は、教育学部の松井聰教授。「開く、繋ぐ、紡ぐ」を教育活動のキーワードとして国際教育、教育実践の研究に取り組んでいる。

 嘉義社会人日本語クラスの担当者は、嘉義高校日本語クラスを担当する王嘉暄先生。学生のために「交流のステージ=主体的に学ぶための環境づくり」を大事にしている日台交流のエキスパートでもある。

 第一弾は、嘉義(開く)、第二弾は千葉(繋ぐ)、第三弾は嘉義(紡ぐ)と交流を重ねて、第四弾となった今回の交流場所は、千葉でもなく嘉義でもない香川県の小豆島だった。交流活動のメインとの位置づけで、台湾の嘉義出身の芸術家の王文志さんが瀬戸内国際芸術祭に出展した「抱擁・小豆島」の完成を祝う記念式典を開催したもの(王さんのご婦人が第一回交流のメンバー。交流企画の原案者)。

 なお、第五弾の交流は、2026年嘉義のランタンフェスティバルの期間に、「響く」をテーマに開催される予定。

抱擁・小豆島 遠景
抱擁・小豆島 遠景