台湾・鳳林鎮と北海道・仁木町が交流覚書を締結 農業・防災・青少年分野で協力へ

0
駐日李大使李逸洋(中)線上見證
駐日李大使李逸洋(中)線上見證

台湾花蓮県鳳林鎮の林建平鎮長は、在日台湾代表の李逸洋氏、鳳林鎮民代表会の龍春文主席らの立ち会いのもと、北海道余市郡仁木町の佐藤聖一郎町長と交流協力に関する覚書を仁木町役場で締結した。今後、農業、防災、青少年交流など多岐にわたる分野での協力を進め、双方にとって互恵的な関係を築いていくことを目指す。

仁木町佐藤町長(左)、鳳林鎮林鎮長(右)簽約
仁木町佐藤町長(左)、鳳林鎮林鎮長(右)簽約

この締結は、外交部札幌弁事処の粘信士処長の尽力により実現したもの。粘処長は、東部弁事処長時代に花蓮県各地を訪問し、自然や人文に魅了されたことがきっかけで、現在の任地である北海道と花蓮県各地の町との交流を積極的に仲介している。

仁木町は、リンゴ、サクランボ、ブドウ、ブルーベリーなどの果物の産地として知られ、毎年多くの観光客が訪れる。一方、鳳林鎮は、稲作、落花生、西瓜、野菜などの農産物が盛んで、「校長の故郷」と呼ばれる文化的な町としても知られており、台湾で初めて国際スローシティの認証を受けている。

李逸洋代表は、「これまでに北海道利尻町、利尻富士町と屏東県琉球郷との三者提携に始まり、5月には万栄郷、6月には台南市左鎮区との締結が続き、今回で北海道と台湾の友好提携は21例目となる」と述べ、関係者の協力と駐在機関の支援に感謝の意を示した。

林建平鎮長は、「仁木町はここ数年、ワインづくりで注目されており、鳳林の西瓜は『総統瓜』と呼ばれるほど全国的に有名。さらに、落花生、剝皮唐辛子、豆乳は『鳳林三宝』として親しまれている」と述べ、仁木町と鳳林鎮の農業を中心とした共通点を強調した。

また、「鳳林は日本統治時代の碁盤の目の街並みを今に残し、日本式の煙草乾燥施設(菸樓)が最も多く残る町。林田神社や林田山森林文化園区もあり、町長にはぜひ一度鳳林を訪れ、スローシティとしての魅力を体感してほしい」と述べた。

佐藤聖一郎町長は、「仁木町は北海道でミニトマトの最大の産地であり、近年はワイン用ブドウの栽培とワイナリーの開設に力を入れている。2020年に導入した高級品種『シャインマスカット』は、現在『ララ麝香葡萄(ララ・シャインマスカット)』として町独自のブランド化を進めている」と述べた。

相互交換紀念品
相互交換紀念品

署名式では、両首長が記念品を交換し、終始和やかな雰囲気の中、簡素ながら厳かな式典が執り行われた