【広島訊】台北駐日経済文化代表処の李逸洋代表は8月6日、広島市の平和記念公園で開かれた平和記念式典に台湾の代表として初めて参列した。李代表は「参列の意義は大きい」と述べた。
李代表は、原子爆弾投下について「日本で当時学問や仕事に従事していた多くの台湾人も被害を受けました。台湾人も広島での出来事を「他人事」と思わず心から共感しています。核兵器廃絶や世界恒久平和を訴える広島市の理念と目標に、台湾は深く賛同しています」とした。その上で、広島市が核兵器廃絶を目的に設立した「平和首長会議」には、現時点で「台北市、台中市、台南市、高雄市が加盟している」とし「今後はさらに多くの台湾の都市が加わることを期待している」と述べた。

「台湾は平和を大切にする国です。自由、民主主義といった価値観を共有する国々が団結し、侵略者の野望を抑えることが重要」とも述べ「平和はかけがえのないものであり、戦争に勝者はいない。歴史の教訓を胸に、平和を大切にし、皆で力を合わせ、自由と民主主義を守るよう呼びかけます」と力説した。また、軍事演習の頻度を高め台湾に向けた脅威を強めている中国に対しては「民主主義の台湾は地域の平和と安定を守る決意がある。社会全体の防衛意識や自己防衛力を高めた上で、理念の近い民主主義の国と協力して、共に権威主義の拡張に対抗し、地域の平和と安全保障を守るために努力する必要がある」と主張した。

このほか、式典会場で米ジョージ・グラス駐日大使と握手を交わし、初対面だったが、米国が一貫して台湾海峡の平和と安定に強い関心を示していると感じ取れ「感謝の意を表しました」とし、グラス大使も「それは米国がすべきことだ」と応じた。
2025.08.07