【沖繩訊】中国の覇権主義から台湾・沖縄を守る会(金城竜郎代表)と幸福実現党の共催による「民間防衛セミナー」が9月27~28日、沖縄県石垣市、浦添市の両会場で開かれた。会場には延べ約200人が参加した。
中国による台湾侵攻が現実味を帯びるなか、台湾において民間防衛教育の普及に取り組む「黒熊学院」の共同創設者である何澄輝首席顧問を講師として招いた。黒熊学院によるセミナーは日本では初開催で、二部構成により実施された。
第一部の「特別授業」は、何氏から中国の認知戦によって、世界で最もフェイクニュースに晒されている台湾のリアルな具体的事例を取り上げながら、いかに偽情報を見抜き、正しい情報を掴むか、中国の情報戦への対抗手段として、メディアリテラシーの高め方などが紹介された。
また、講義の中で、何氏は現代の戦争では軍人だけを頼りにしてはならず、「自分の国は自分で守る」という価値観を民間に広く共有する必要性について述べ「国防も民間防衛も大事だが、前提として『心の防衛』から始めないといけない」と強調した。

第二部のパネルディスカッションでは、何氏に加えて幸福実現党の江夏正敏幹事長、石垣市議会の友寄永三議員(石垣会場のみ)、主催団体の金城竜郎代表(那覇会場のみ)が登壇。中国のフェイクニュースが、LINEなど生活に密接なSNSを通して浸透している実例に触れ、中国の認知戦は台湾のみならず、日本でも既に広く展開されている現状及び台湾に比べ、いわゆる「平和ボケ」が蔓延している沖縄に迫る大きな危機を訴えた。
さらに、中国の習近平政権がチベット自治区やウイグル新疆自治区で行う人権蹂躙を紹介し、中国共産党がいかに人間を不幸にする仕組みであるかを確認し、圧政に苦しむ中国人を救済する使命が日本や台湾にあることを確認し合った。
台湾と同じく第一列島線上に位置し、中国の覇権主義に対峙する上で、地政学上非常に重要な存在である沖縄。実際に、中国海警局の船舶が尖閣諸島周辺を300日以上連続で接近している状況にある最中で、深い懸念を抱いている県内の政治関係者や関連団体の責任者が当日は多数来場した。
その来場者からの感想は以下の通り。
「台湾の皆さんが有事に対してどのような対応しているか、立場的に大変興味があった。そして、有事に対する備えをしっかり行っていることが分かり、非常に意義のあるセミナーだった(防衛関係団体会長)」。「黒熊学院のような民間防衛団体は日本では聞いたことがないので、台湾での切迫した状況を改めて確認できたのと同時に、『国境の島』である石垣島からこうした活動を起こす必要があると実感した(石垣市議)」。「中国によるフェイクニュースなどの認知戦を通して、台湾有事の危機感は確実に進んでいると感じた。戦争があってはならないが、であるならば中国の台湾侵攻への野望は周辺国の我々が何としても力を合わせて抑止しなくてはならない(沖縄県議)」。
セミナーの参加らは、沖縄における民間レベルでの防衛意識の向上の必要性を語っていた。
「日本と台湾は運命共同体」という言葉があるが、とりわけ重要な存在となる沖縄での民間防衛の浸透は、今後の「日台友好」の大きなステップとなると見られる。
2025.10.01





















































