【「日本の有事」は「台湾の有事」──今、日本のホタテを応援せずにいつするのか?】

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【読者投稿】11月19日、中国は「日本が放射性物質に関する資料を出していない」という理由で、日本産水産物の輸入を突然ストップしました。せっかく初めて中国向けに出荷された北海道産ホタテが、港で“門前払い”される可能性まで出ています。これは技術的な問題ではなく、明らかな政治的な報復です。

経済を“武器”にするやり方は、中国にとって今に始まったことではありません。日本が今直面している状況は、台湾にとっても見覚えのあるものです。

2021年、中国は台湾産パイナップルの収穫期に合わせ、突然「輸入停止」を一方的に発表しました。台湾の農家を混乱させ、政府への不満を煽ろうとしたのは明らかです。
しかし北京の思惑に反して、台湾の本当の友人――日本――が立ち上がりました。

その年の3月11日、東日本大震災からちょうど10周年。震災時の台湾の支援を忘れない日本の人々が、「今度は自分たちの番だ」とばかりに台湾パイナップルを次々と購入。わずか数日で、注文数は前年の輸入量の3倍に達しました。季節はまだ寒く、パイナップルの需要が少ない時期にもかかわらず、日本では箱買いが続出。

一方、台湾パイナップルの半額で買えるフィリピン産は見向きもされませんでした。日本はただスローガンを唱えたのではありません。行動で台湾人に「あなたたちは一人じゃない」と伝えたのです。

そして今、同じような状況が日本に降りかかっています。高市早苗首相が国会で「台湾有事は日本有事でもあり得る」と述べたのは、地政学的にみれば当然の話です。しかし中国はこれに神経質に過剩反応し、水産物まで利用して圧力をかけています。

アメリカのグラス駐日大使はすぐにSNSで「日本の海鮮をボイコット?バカげている」と発信し、北海道産ホタテを「最高の前菜だ」と絶賛。さらに「これは典型的な経済的威圧。アメリカは高市首相を全面的に支持する」と明言しました。
この素早い反応は、日米同盟の強さを世界に示すと同時に、中国のやり方を国際社会の目に晒すことにもなりました。

台湾と日本は、ただの隣国ではありません。安倍晋三元首相が言った「台湾有事は日本有事」は、誇張でも外交辞令でもなく、現実そのものです。

高市首相がこの事実を口に重複しただけで、中国は観光、エンタメ、経済と、あらゆる分野で日本に圧力をかけています。台湾が長年味わってきたのとまったく同じ構図です。

苦しいときこそ、その人・その国の本当の姿が見えます。
台湾の農業が困っていたとき、日本は迷わず手を差し伸べてくれました。今、日本の漁業が同じような圧力にさらされ、高市首相が台湾支持を理由に激しい攻撃を受けている時に、台湾が黙っていていいのでしょうか?

「日本の有事」は「台湾の有事」です。
今、日本のホタテを応援しなくて、いったいいつ応援するのでしょうか?

2025年11月22日

大田一博敬具