砕石の製造、販売で創業44年を誇る成木開発(本社:東京都青梅市)。社長の木下直(なおし)氏は、父親から受け継いだ同社を更に発展させている。そして木下氏は大変な台湾通で、熱烈な民進党支持者でもある。
同氏は、1991年の初めての台湾旅行から数えて現在まで、80回の訪台を繰り返している。昨年度は12回、月に1回訪れている計算だ。「最初は観光で台湾に行きました。が、徐々に興味の対象が広がり、歴史や文化、政治の勉強をするようになりました」(木下氏)。台湾滞在中は、台北の書店で書籍などを購入して勉強したという。
今回の総統選はもとより、前回の総統選の時も木下氏は3日間、台湾に赴き民進党の支持者たちと交流を果たした。「今回は民進党が勝つかもしれない。勝利できないにしても接戦を演じる。と民進党の関係者、支持者は予想していました」しかし、結果は80万票の大差での敗北。
「ビジネス関係者が親中になったことと、南部の農民票が離れていったことが敗北の原因だと考えています」立法院での議席数の増加については、「まだ少ない。北部での議席の増加が必要です」と答えた。
また木下氏は、訪台の際年に数回は、義愛公(森川清治郎)を祀った富安宮廟、飛虎将軍(杉浦茂峰)廟や広枝音右衛門を祀った獅頭山勧化堂など、日本人が祀られている数か所の廟に参詣し、寄付をしている。「日本人が知らない日本人を、台湾の人たちは敬ってくれます」そんなところも木下氏が台湾に惹かれる理由のひとつだ。寄付はそのお礼とのこと。
そんな木下氏が心配することは、中国による台湾の併呑だ。「自由な発言がある国と、無い国が一緒になってしまうことが心配です」それを防ぐためには、中国ばかりに経済的依存をしないで、ベトナム、タイなどに進出し、選択肢を増やすことが大切だと主張する。
「台湾はこのまま親日でいて欲しいと思います。逆に、日本は中国ばかりに目が向いているのが残念です。今の民主党には、台湾とのパイプがありません。自民党も国民党とは親しいようですが、民進党とは繋がりがありません。ぜひ、民進党とパイプを作ってほしいと期待しています」
リタイア後は、台湾での永住を計画している木下氏。同氏の希望を叶えるためにも、台湾の大多数の国民が願っている現状維持を、これからも続けられるよう民進党の躍進が望まれる。