パナソニック株式会社は15日、スマートフォンなど高機能端末向け樹脂多層基板「ALIVH(アリブ)」を生産する台湾の新工場の竣工式を挙行した。
「ALIVHR」(アリブ=Any Layer Interstitial Via Hole )とは、パナソニックが開発・事業化し、世界で初めて全層IVH (Interstitial Via Hole)構造を実現した樹脂多層基板。1996年10月、業界で初めて重量100g、容積100cc以下を実現した松下電器産業株式会社(現:パナソニック株式会社) 製携帯電話機に搭載以来、日本国内から海外向けまで販路を拡大し、グローバル累計出荷数は2011年12月末時点で4.5億台(携帯電話機換算)を突破した。
同社は今後も大きな成長が見込まれるスマートフォンの、高機能端末用回路基板の需要拡大に対応するため、高密度化・高多層化に強みを持つ独自の樹脂多層基板「ALIVH」の海外生産能力の拡大が狙い。
その一環として、昨年8月にパナソニック台湾株式会社内の既存生産拠点(新北市)の設備を増強、さらに今回、同工場近郊の桃園県で新たに第2工場を設立し、量産を開始した。新工場の生産能力は月産300万台(スマートフォン台数換算)で、既存工場の生産能力と合わせ、台湾において2010年実績比4倍の月産600万台体制を確立。
同社はスマートフォンなど高機能携帯端末のさらなる進化に不可欠なキーデバイスとして「ALIVH」を最重点事業と位置付け、今後もスマートフォンをはじめとする世界の携帯端末メーカーの要望に応えるために積極展開するとのこと。
(写真提供:パナソニック)