徳島市出身で明治から昭和にかけて活躍した人類学・考古学・民族学の研究者、鳥居龍蔵氏(1870~1953年)による台湾調査を紹介する企画展「鳥居龍蔵の見た台湾」が、徳島市の県立博物館・企画展示室で開催されている。
鳥居氏が約百年前の先住民の生活を撮影した写真や収集した日用品を中心に約300点を展示。1897年の調査で台湾南東の島から日本に持ち帰った全長約4メートルの木造船も、船が並べられた海岸線の写真とともに展示されている。また、台湾にもほとんど残っていない木鉢や農具、漁具なども展示されており、先住民の文化を知る貴重な史料となっている。
鳥居氏は1896年から1911年まで、計5回にわたって台湾のほぼ全域を調査。原住民族の言語・風俗習慣を記録するとともに、日常生活などをカメラで撮影し、多くの写真を残した。
同企画展は徳島県立鳥居龍蔵記念博物館の開館1周年を記念して開催され、3月4日には考古・人類学者3人が鳥居龍蔵の足跡を追う記念シンポジウムが開かれる。