~台湾積体(TSMC)が有力候補~
業績が悪化しているルネサスエレクトロニクス(日立製作所、三菱電機、NECの半導体部門を統一して創立)が、経営再建の一環として主力工場である山形県鶴岡市の鶴岡工場の売却を決めた。現在、売却先としては半導体分野の製造では世界最大の台湾積体電路製造(TSMC)が有力視されている。
鶴岡工場は薄型テレビやパソコンなどに使うシステムLSI(大規模集積回路)を製造しており、ルネサスにとっては最先端技術を駆使した主力工場。子会社のルネサス山形セミコンダクタが運営し、従業員は1300人を抱える。日本の電気メーカーの不振を受けて、業績が悪化したもので、従業員とともに工場を引き渡すことで1万2千人の人員削減が実現。TSMCが全従業員を引き受けるかどうかは交渉次第と思われる。
ルネサスは5月24日に自動車の制御等の部品製造するマイコン事業をTSMCに委託したばかり。4万2千人の社員のうち、当初は6000人の人員削減を見込んでいたが、削減を1万人規模に拡大する調整に入っており、今後、更なる海外委託拡大の可能性が高い。