~ 仁蘭園有限公司 総経理・茂木仁氏インタビュー~
お祝いで贈られることの多い華麗な花として知られる胡蝶蘭。気候が温暖な台湾もオランダと並んで胡蝶蘭の有名な産地である。2011年8月に台南市で胡蝶蘭栽培会社を設立した茂木仁総経理(仁蘭園有限公司)は、日台の技術を駆使して胡蝶蘭の苗を日本向けに輸出している。小苗から成熟過程部分を台南で作り、その後、胡蝶蘭の苗を茂木氏の父親である敏彦氏が埼玉県本庄市で営むモテギ洋蘭園のブランド胡蝶蘭「スーパーアマリビス」として市場に出荷する。苗木から開花までの一環した生産工程を日台の技術力を合わせた構図だ。
茂木氏は2007年に台湾に渡り、台湾師範大学の語学センターで中国語を学んだ。中国語に精通しており、台湾語の嗜みもある。2010年より台湾の大手食品会社の台糖で1年間の修行後、現地法人・仁蘭園有限公司を設立した。当初は、現地法人であっても外国人との理由で、農地の貸借に難色を示されたが、茂木氏の努力で克服。現在は「ようやく軌道に乗ってきた」と話す。
既に現在、日本で研修している台湾人幹部候補3人を台南の現地法人に採用している。また、台湾の台糖、台霖生物科技、金車生物科技とも提携契約を締結し、今年末の操業にも奔走している。台湾産胡蝶蘭の品質は「世界トップ水準」と自負するが、一方で害虫被害の問題もある。この問題を解決するため、日台の温室業者がコラボした新しい温室作りも並行して進めている。こうした技術は日台のコラボによるもの。茂木氏自らも設計段階から参加、目下建設中だ。日本では市場が縮小傾向とされる胡蝶蘭。茂木氏は「胡蝶蘭大国台湾で栽培して、日本の技術でアレンジし、ゆくゆくは世界市場に挑みたい」との夢を描く。日本と台湾の技術を合作した「スーパーアマリビス」が世界中に優美な花を咲かせる日は近いかもしれない。