-ECFAその後と日本・台湾・中国関係-
毎年一回行われる一般社団法人アジア調査会主催の国際シンポジウムが7月10日、東京都千代田区・日本記者クラブホールで開催された。今年のテーマは台湾・中国間の自由貿易協定(FTA)に相当するECFA(経済協力枠組み協定)発効後2年が経過した現況についての「ECFAその後と日・台・中関係」について。
3人のパネリストの1人、台湾経済部(経産省に相当)の江文若・国際貿易局副局長は「資本力・技術力・管理能力に優れた日本企業が中国での事業経験に富む台湾企業と協力し、中国に進出すれば日台双方にメリットがあり、新たなビジネスモデルを確立できる」と発言した。さらにECFA締結により「日本企業が台湾を経由して中華圏、そして国際市場参入しやすくなった」とも。例としてモスバーガーと東元が提携して台湾、上海に進出した成功例を紹介。30年来、日本は台湾にとって最大の貿易パートナーであり、今後もこの傾向はさらに深まるであろうと分析している。また、ECFA締結以降、台日貿易は拡大しており、日本の台湾への投資額は今年上半期だけでも昨年度同期比+66%となっていると述べた。
続いて、日本貿易振興会・真家陽一海外調査部中国北アジア課長より、日台アライアンスについて講演が行われた。日本企業と台湾企業が手を組むことで国際的な競争に勝ち抜けるとした。その後、三菱商事・小椋和平関西支社副支社長による講演があり、休憩を挟んで活発な質疑応答後3時間に渡ったシンポジウムは幕を閉じた。