今年で33回目を迎える台湾・経済部国際貿易局、台日経済貿易発展基金会、台日商務交流進会、交流協会日台ビジネス交流推進委員会が主催、日本商工会議所が共賛の台日連携セミナーが7月19日、東京・千代田区で開催された。日本企業に台湾への投資を促すのが目的に開かれたもので、当日は日本企業担当者など関係者約200人が参加した。
開会式では董烱熙・訪日団団長の挨拶に続いて交流協会井上孝理事が挨拶し、「今年に入ってシャープなど台湾から日本への投資がとても増えている」と述べた。その後、日本商工会議所・宮城勉常務理事より「訪日団を心から歓迎する。日本の大半の商工会議所が台湾にミッションを行っており、大企業はもとより中小企業が台湾企業とビジネスアライアンスを組み、難しい中国やアセアンに出ようとしている」と歓迎した。続いて台北駐日経済文化代表処の沈斯淳代表の挨拶をもって閉会した。
続いて行われたセミナーでは、台日商務交流協進・江丙坤最高顧問より「ECFA後台日及び両岸経済関係」をテーマにした日本語による講演が開かれた。江氏は日本留学経験、駐日代表処勤務経験もあり、さらに台湾の対中交渉窓口機関である海峡交流基金会の理事長でもある。「台湾の歴史は日本と中国によって運命が決まってきた」、「現在の中国の発展は台湾が大きく貢献」、「日台の特殊な関係を生かし、いかにしてGDPが成長する中国市場に参入するか」、「日本企業が中国に進出する際は台湾を経由した方が安全で速い」などを題材に40分に渡って講演した。続いて、経済部国際貿易局・張俊福局長より「ECFA締結後の台湾経済戦術を考える」をテーマにした講演が開かれた。「ECFAは台湾の経済に大きなメリットをもたしている」とした。また、台湾は輸出大国でありながら今、「輸出不振」に陥っており、「いかに海外からの投資を招くがポイント」と、今回の訪日の目的を話した。その後、野村総研チーフエコノミスト・辜朝明の「世界同時バランスシート不況」をテーマにした講演後、閉会となった。
当日は商談会も並行して行われ、今年は医療器材、食品加工、電機・電子関連、素形材関連および映画・アニメなど文化コンテンツ等で日本企業との取引拡大や技術提携を希望する台湾企業34社(2011年より5社増)が来日した。各社のブースでは熱心に商談をする日台双方の担当者の姿あちこちで見られた。この商談会は7月17日に福岡でも開催された。