~ゴルフパックを中心としたツアーを現地旅行会社などにPR~
熊本県を中心に九州で鉄道、バス(路線、貸切)、ゴルフ場、ホテル事業を展開する熊本電鉄の中島敬高社長をはじめとする幹部3人が、台湾人観光客招致を目的としたPRのため7月23日より3日間の日程で訪台した。鉄道事業を主体とする同社は、人口減少に悩む他の地方都市と同じく年々利用客数が減少気味。業績回復への切り札として外国人観光客を取り込むべく、まずは親日的な台湾へ出向き、現地旅行会社関係者などにPR活動を行った。
訪台初日、一行は台湾北部の観光地である宜蘭へと向かい、ホテル、旅行会社などと懇談。2日目は午前の宜蘭の観光視察後、台湾外交部(外務省に相当)の亜東協会(日本の交流協会に相当)の黄明朗秘書長らと台北市内のホテル会食、同社の説明と協力を呼びかけた。続いて、交流協会台北事務所を訪問し、佐味佑介副代表らと会談、同社と熊本県のPRを行った。
その後一行は、台湾の中堅航空会社である復興航空本社(台北市)を訪問した。復興航空はかねてから日本各地へのチャーター便を運航しているが、初の定期路線として台北(桃園)・関西線を6月に開設したばかり。8月末まで熊本と北九州に定期的にチャーター便を運航するなど、日本路線への運航に積極的な航空会社。会談は李士勳副総経理、江許賢経理らと行った。中島社長は「当社は電鉄以外にも温泉旅館、ゴルフ場も所有しているが、まずはゴルフパックを中心としたツアーを売り込みたい」と協力を要請、さらに「熊本県は九州北部と南部の中心に位置しており、九州のどこへでも行きやすい」とPRした。それに対し江経理は「8月下旬まで熊本と北九州に定期チャーター便を運航しており、4泊5日のツアーで利用してみたい」と承諾。すぐに、復興航空直営旅行会社の代表者を紹介した。提携の細かい部分まで詰める段階に至った。続い、一行は、台北で有名な温泉地である北投に2011年4月にオープンしたばかりの北投麗禧酒店で、台北地区の主要旅行会社首脳など8社を集め、会食を兼ねた熊本のPR会を開いた。中島社長の細かい説明の後、熊本を中国語によるビデオでも紹介。参加した25人の旅行関係者は「北海道、東京などは馴染みがあるが、熊本にもこんなに見所があるとは知らなかった」と熊本の奥深い観光資源に魅力を感じた様子だった。会食では熊本電鉄側と旅行会社側の活発な意見交換が行われた。双方がビジネスパートナーとなる日は近いかもしれない。
一行は翌25日、熊本への帰国の途についた。