第8回江・陳会談で「投資保証と促進協議」と「税関協力協議」に調印

0

台湾の対中国大陸協議の窓口機関である「財団法人海峡交流基金会」(以下、海基会)」と中国大陸の対台湾協議窓口機関の「海峡両岸関係協会」(以下、海協会)は8月9日、第8回江・陳会談(海基会の江柄坤・理事長と海協会の陳雲林・会長によるトップ会談)を台北市内のホテルで開催した。会談では「海峡両岸投資保証と促進協議」と「海峡両岸税関協力協議」の2項目が協議され、いずれも合意し調印した。
 調印した「海峡両岸投資保証と促進協議」は、中国大陸で操業されている台湾企業の財産権、経営権、身柄の安全など、両岸の投資家の投資権利制度化した保証を確保するもの。すべての産業投資に役立つため、両岸の投資環境は効果的に健全なものとなり、グローバル化および地域経済協力面においても両岸それぞれの競争力を向上させることになる。
 また、「海峡両岸税関協力協議」については、両岸間の貨物通関プロセスの簡素化に役立ち、関連業者が運営コストを軽減する際にプラスに働くため、両岸間における違法の貨物、密輸を根絶させることができる。これら2つの協議の調印は、「両岸経済協力枠組み協議(ECFA)」に続く協議が、一歩ずつ実行されていることを示すものであり、両岸の経済・貿易の枠組みがより一層深化したことを象徴することとなった。
 一方、両会は投資保証協議における「身柄の自由と安全保障についてのコンセンサス」も同時に発表した。これは双方が各自の規定に基づき、相手方の投資家および関係者に対し、身柄の自由を拘束してから24時間以内に当該者の関係者に通知し、家族の面会および弁護士の接見のための利便性などの方法を提供するもの。双方は身柄安全の問題に対する重視を示すためのものであり、関連する通報と通知メカニズムの完備を通して、両岸の投資家および関係者の身柄の自由および安全の保障をより一層強化するものとした。
 また次回の会談の協議テーマについても議論された。今回の会談において締結したサービス貿易、物品貿易、争議の解決など、ECFAのさらなる後続協議を中心とし、この中の1項目でもコンセンサンスを達成すれば調印する、ということで同意した。さらに、サービス貿易の協議を後続階段の優先的な調印のテーマにすることでも同意した。また、双方は国民生活の福祉に関する「両岸大気汚染の監視測定協力」および「両岸地震監視測定協力」のテーマについて、両岸の関連する主管機関の間での意志疎通と話し合いを積極的に推進していくことでも同意した。
 台湾側トップの江氏は、台日商務交流協進・最高顧問も兼任。7月に東京と福岡で行われた台日連携セミナーの際来日を果たしている。このため同氏は日本留学及び駐日代表処勤務の経験があるため、セミナ―の講演は流暢な日本語で行われた。