台湾食品ビジネスセミナーが鹿児島県鹿屋市で開催

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台湾食品市場セミナーで開催の挨拶をした鹿屋市産業振興課の四元課長
台湾食品市場セミナーで開催の挨拶をした鹿屋市産業振興課の四元課長

 日本貿易振興機構(ジェトロ)鹿児島は8月23日に台湾食品市場ビジネスセミナーを鹿児島県鹿屋市で開催した。
台湾貿易センター 福岡事務所 林所長
台湾貿易センター福岡事務所の林所長

 鹿児島県は台湾との国際コンテナ航路を持ち、鹿児島空港発着の台北線が今年3月に就航を開始、台湾との更なる経済交流拡大が見込まれている。同セミナーは鹿屋市と共催で台湾貿易センター福岡事務所所長の林俊杰氏と日本通運志布志支店長の平野孝文氏を招き講演が行われた。
焼酎の輸出について 林所長
焼酎の輸出について講演する林所長

 まず講演のなかで林所長は台湾食品市場がいかに魅力的かを説明。九州と台湾との類似点を地理・経済指標・交通網などの分野から紹介し、自身の実体験から台湾人の味覚が九州の味覚に近く九州の食品は親近感を持たれるだろうと述べた。特に鹿児島特産の焼酎に可能性があるとし台湾における組織的かつ積極的なPRを提言、近年台湾での大河ドラマ篤姫の大ヒットを受けて鹿児島への興味が高まっている今が好機であると語った。
日本通運 志布志支店 平野支店長
日本通運志布志支店の平野支店長

 続いて基隆・高雄との定期航路を持つ志布志港の活用について平野支店長は昨年5月に国際バルク戦略港湾に指定された同港の地理や設備などの優位性、コンテナ輸出に関する助成制度の活用、地元港湾を利用することによる地域振興のメリットなどについて講演、具体的な港湾輸出の手続きなどについても実務的な解説を行った。
台湾食品市場セミナーの様子
台湾食品市場セミナーの様子

 同セミナーに参加した県内の食品会社からは、「台湾などへの水産食品輸出に関心を持った」、「今後台湾企業との合併などの事例に関心がある」などの前向きな意見が寄せられた。
 主催者であるジェトロ鹿児島の糸長所長は、「台湾の食品市場は大変有望であり、鹿児島は地理的にも近く特産品も豊富、港湾設備も支援制度も整っている。今後も輸出拡大に向けて行政と一丸となって鹿児島の生産者を育て、地元港湾の利用を促進することで地域振興に繋げたい」と台湾との経済交流の拡大に意欲を見せた。

 鹿児島県は九州の最も南に位置し、二つの半島と薩南諸島から構成される。人口は約170万人で日本有数の農業・畜産県。観光資源も豊富で世界自然遺産の屋久島をはじめ、桜島や霧島山などがある。温泉の泉源も大分県に次いで日本で2位。鹿児島県観光動向調査によると、海外からの宿泊者数は今年の4月から台湾が爆発的に伸びており、それまで首位であった韓国を抑えて現在台湾が首位となっている。