台湾主権記念運営委員会が主催、日本台湾医師連合、日本台医人協会、在日台湾同郷会、在日台湾婦女会、日本李登輝友の会、台湾の声、東京台湾協会が共催の第8回台湾主権記念講演会と音楽界が9月9日、都内のホテルで開催された。当日は60人の参加があり、台湾人より日本人の姿が多く目についた。
最初に台湾主権記念会・会長の中山博雄氏が「今後、台湾正名運動の動きに注目し、台湾の皆さんの台湾正名運動に全面的に協力したい」と挨拶。続いて、第8回目を迎える同講演会では初めての日本人講師、柚原正敬氏についての紹介が行われた。同氏は1955年、福島県相馬市生まれで早稲田大学中退後、1982年に専務取締役として出版社「展転社」を創立、その後1995年に台湾研究フォーラムを設立。2002年、日本李登輝友の会設立と同時に常務理事・事務局長に就任し、機関誌「日台共栄」編集長を兼任している。柚原氏は「在留カードへの道と今後の台湾正名運動」のテーマで講演。今年7月9日に在日台湾人の在留カードの出身地が中国から台湾に変わるまでの経緯を順を追って説明した。柚原氏によると2001年6月、当時の台湾同郷会会長の林建良氏が在日台湾人の外国人登録証の国籍記載欄を中国から台湾に改めることを要求して「正名運動プロジェクトチーム」を発足。2003年9月には中華民国のパスポートに「台湾TAIWAN」を付記、この件は大きな影響があった。さらに2007年2月には台湾の郵便局、中華郵政が台湾郵政へと名称変更。そして、今年7月9日には出入国管理局が今までの外国人登録証制度を廃止して在留カード制度へ、その際に台湾出身者の「国籍・地域」表記は中国から台湾に。同日、実施された外国人住民基本台帳でも表記は「台湾」となった。さらに同氏は続けて台湾は世界一の親日国であり、両国は良好な関係を保っているとした。続いて、未だ残る問題として台湾出身者が日本人と結婚したり日本に帰化するなどして身分に変更が合った場合の戸籍上の国籍・出身地欄では未だに「中国」や「中国台湾省」となっている点などを挙げて説明。今後、これらについても「中国」ではなく、「台湾」とはっきり記載されるように活動していきたいと今後の意気込みを語った。また、「日本政府に訴えてるため、台湾の皆さんの力添えを頂きたい」と語った。同氏の熱のこもった講演後、講演会は閉会となった。
続いて心を癒すクインテットの演奏会、さらに柚原氏を囲んでの懇親会へと続いた。