馬英九総統は9月25日、工学博士であり経営コンサルタントの大前研一博士と会見した。「中華民国工商協進会」の黄茂雄・名誉理事長(台湾の大手電機メーカー・TECOグループ会長)の招きに応じで訪台したもので、大前氏が日本で主宰している「向研会」の「台湾向研会」の設立大会に出席するため。
会見のなかで馬総統は「台湾向研会が日本のモデルを参考に、世界各地の発展状況を広範に理解し、台湾の企業家の参考的基礎となるよう期待している」と述べた。また、「台日双方は昨年、この60年間で初の『投資保証協議』に調印した。これにより日本企業が台湾への投資や台湾での工場建設に意欲を促進させる原動力にもなった。同時に『両岸経済協力枠組み協議(ECFA)』による製品類を中国大陸に輸出する際に優位性を保持できる事にもつながった。将来のビジョンは日本の技術力と台湾の生産力が互いに連携し、双方のために新たなビジネスチャンスの成長の契機が創出できるようにしていきたい」との考えを示した。さらに、日本経済、核エネルギー政策、東日本大震災の復興などについても広範な意見交換を行った。
大前氏は今年5月にも同会の招きを受け訪台しており、その際に馬総統について「日本に輸入したいほどすばらしい指導者」と絶賛し、さらに馬総統の指導下にある政治家もみな聡明であると台湾の政界を称えている。