台湾地元メディアによると23日未明、台南市左営区、衛生署立新営病院北門分院の2階の入院病棟から出火した。火は午前3時29分に出火、消防局が出動し消火にあたり、30分後の3時59分に鎮火した。115人の入院患者が救出されたが、このうち12人の死亡が確認された。全員が慢性病で寝たきりの高齢者だった。ほかにも72人が煙を吸い込むなどして負傷し、奇美病院、成功大学医学部付属病院など周囲14の病院に搬送された。
警察の調べによると、同病院に長期間入院している67歳の男性が「入院が長引いてイライラしている」ことから焼身自殺を図ったことが分かった。男性はまず、ちり紙に火をつけ、その後自身の服に火が燃え移った。自身は軽いやけどを負ったものの助かった。
現場では病院が火災のため、外の草むらにのあちこちに負傷者が横たわり、看護婦が人工呼吸など必死に救命に当たるなど、まるで地獄絵の様相だった。今回の火災は台湾の病院史上、最悪の惨事となった。
馬英九総統はに犠牲者に対して深い追悼の意を表明している。また医師でもある頼清徳・台南市長は直ちに現場に駆けつけ原因の究明、負傷者の治療など指揮に当たった。