種田陽平氏の小ルーヴル展、台北で開催中

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―小さなルーヴル美術館展、種田陽平の美術世界―
日本人美術監督、種田陽平氏※が手がけた「小さなルーヴル美術館展、種田陽平の美術世界」が10月6日より台北市の国立歴史博物館で開催されている。来年1月8日まで。
 これは2008年に三鷹の森ジブリ美術館で、2010年メルシャン軽井沢美術館で開催された展示会の台湾版で、今年高雄市での展示に続くもの。ヴィ―ナス、モナリザ、サモトラケのニケ像などパリのルーブル美術館所蔵の120点近くの縮小版(原作品の40%)が展示されている。また、種田氏は台湾の原住民の抗日運動をモチーフにした去年大ヒット映画「セデック・バレ」の美術監督も担当した経緯ももつ。
種田氏は「小さなルーヴル美術館展」開催の理由について、「美術は敷居が高いと思われがちだが、今回のように子供の視点や発想から企画した展示を通じて子供と美術館の距離が縮まったら」と話す。
 また、さらにルーブルについてより多くの側面から理解してもらいたいと台湾展のためだけに考えられた、「パリの地下鉄空間」、「漫画と映画にみるルーブル宮殿」の2つの特設エリアも設けられている。展示会場ではルーブルの壁や柱を模したデザインでが施されるなど、種田氏の細かい観察力が至るところに表現されている。
※種田陽平…1960年大阪府生まれ。武蔵野美術大学卒業。榎戸耕史監督の映画「ふ・た・り・ぼ・っ・ち」で劇場用一般映画デビュー。その後、数々の話題作の美術を務め、日本を代表する美術監督の一人となった。映画「THE有頂天ホテル」、「フラガール」で毎日映画コンクール美術賞を受賞、台湾映画「セデック・バレ」で紫綬褒章を受章したほか数々の受賞歴を持つ。映画のほか、テレビ番組、CM、イベント、空間デザイン、舞台美術、アートブック等、国内外の幅広い分野でデザイン・ワークを展開中。