引き続き企業側は新規雇用に慎重姿勢
行政院主計総処(総計局に相当)発表による9月の失業率は4.32%と8月に比べて0.08%改善した。5月以降の失業率は4ヶ月連続で増加していたが、今回初めて下降に転じ失業率はやや好転した。さらに新卒者や期間限定のアルバイト労働者が仕事内容及び職場の労働環境の不満を理由にした失業者数も減少した。
ただ主計処によると、最近は企業が雇用に関して慎重な姿勢で保守的な姿勢を示す傾向にあり、引き続き10月以降の雇用情勢を注視する必要があるとしている。
また、9月の新たな就業者数は8月と比べ0.21%下がった。これは学生が夏休みのアルバイトを終えたことが原因と見ている。これにより求職者数も減少したが、一方で失業者数も減少に転じている。一般的に失業率の下降は景気の好転を意味しているといわれるが、主計処は台湾の過去の例からの分析で、9月の失業率は8月に比べて下降する傾向にあり、さらに今年は企業側が雇用をあえて控えているため、過去の失業率下降幅に比べて縮小していると分析。油断できないとしている。さらに、今年1月~4月の失業率は4.2%前後を維持していたが、5月以降は上昇傾向に転じ、常に4.25%~4.3%の高水準で推移。今後さらに上昇し続けた場合、労働市場にかなり悪影響を与える可能性が高いと見られ、10月以降の雇用情勢に注視する必要があるとしている。
その他の地域では、香港の失業率は3.3%、韓国は3.1%、シンガポール2%となっており、台湾の9月の失業率は「アジアの四虎(中文;亜州四小龍)」の中で最悪となっている。
なお、今年1月から9月の平均就業人口は1084.1万人と昨年同期と比べて1.48%増加しているが、最近3年間では増加幅はもっとも少ない結果となっている。