台湾に関心をもち、台湾を愛する人々と交流を図る目的で最近設立されたという台湾漫遊倶楽部(代表:辛正仁氏)が、11月23日、都内・目黒さつき会館で「片倉佳史のもっと台湾トークライブ」を開催した。
同イベントは、今回が3回目。テーマは「高雄特集~南国の大都会・高雄市」だった。ちなみに前回は「台南特集」。事前申込み段階で満席というだけあって、開場(午後1時15分)を前に階段には参加者の長い列ができた。
講師となった片倉佳史(かたくら・よしふみ)氏は、1969年神奈川県生まれ。大学卒業後、出版社勤務を経て1997年に台湾に渉り、以来、フリーライターとして、日本統治時代の遺構探しや地理・歴史、原住民族の風俗・文化、グルメ、鉄道などのジャンルで執筆・撮影を続けている。トークは午後1時半に始まった。
冒頭で同氏は「台湾は北と南で文化が違いますね。台北など北部の都市部に住む人は性格は日本人に近い。ルールは守らなくてはいけないとか、真面目に働かなくてはいけないとか、当たり前のことなんですが、南部ではちょっと違う。きちんとルールを守って皆で同じことをするというより、むしろ、合理的に、皆に迷惑をかけないように自分のやりたいようにやった方がいいという考えです。また、愛郷心が違います。南部の方が強い。高雄では親切にしてもらったら『あなたのために高雄が好きになりました』というとものすごく喜んでもらえます」と、ユーモアたっぷりのツカミで聴衆の心を鷲づかみにした。
テーマは、台湾在住経験の長い同氏ならではの切り口が多く、聴衆から笑いや驚きの声が聞かれた。主なものを挙げてみると、「基隆市の降水量、年間300日雨の記録」「八田與一の16000kmに及ぶ灌漑施設建設」「日本人と台湾人が食べる台湾バナナは違う」「知られざるもうひとつの高雄市~東沙環礁」「台湾人の日本名ブーム」「人口よりスクーターの数が多い高雄市の不思議」「高雄市茂林区に住むルカイ族下三社群の人々の独自文化」「高砂義勇隊」「客家文化と政治的影響力」「北より南がいい台湾ホテル事情」など。
後半の質疑応答も活発に行われ、トークライブが終了したのは、午後4時30分過ぎだった。若い聴衆が多く、台湾フリークが着実に増えつつあるようだ。