台湾・総統府はこのほど、先に香港誌の独占インタビューに応じた馬英九総統の発言で、台湾と中国大陸との和平協議(これまでの敵対状態の終結を目指す平和協定)について、「これまで両岸間で結ばれている18項目の協議はいずれも平和を基礎としたものだ」とし「最優先の課題ではない」とする談話を発表した。
台湾では、和平協定は「将来の中台統一につながりかねない」とする民衆の警戒心が強く、馬総統も世論に配慮したものとみられる。馬総統は、台湾人の多くは両岸交流を歓迎しながらも、急速な進展を望んでいないとした上で、「台湾海峡の平和、中国大陸との共栄をめざすという目的に変わりはないが、和平協議の必要性についてはまだ討論の余地がある」と述べた。
また、中国大陸政策の研究・立案、大陸情報の収集・分析、台湾海峡両岸の往来に関する法律の案件の処理や事務関連組織への指導を行う行政院・大陸委員会では、「いかなるタイムテーブルもない」とした上で、協議を推進するための前提条件として、国家の重要・民意の支持・国会の監督の3つを挙げている。