衆院選の自民圧勝で声明
12月16日に投開票が行われた衆議院総選挙で、安倍晋三総裁を擁する自民党が294議席で第一党になったことを受け、外交部林永楽部長は翌17日、「台日関係は過去4年間で大きく進歩、今回の日本の総選挙の結果は台日関係にとってプラスに作用すると確信している。またさらに友好関係が深まる事を希望する」と声明を発表した。さらに「台湾と日本の関係は大幅に改善した。経済、観光、文化、教育のすべての方面で大きな進展を遂げ、台日オープンスカイ協定提携により、双方の航空便数は周350便と大幅に増加した。双方の訪問人数も250万人に達している。安倍政権発足後さらに台日間の友好関係が深まるだろう」と強調した。
また林部長は、かつて安倍総裁が尖閣諸島(台湾名;釣魚台)の領有権を巡り「強鞭な立場を取った」とする台湾メディアからの質問に答え、外交部としては馬英九総統が提起する「東シナ海平和イニシアチブ」を推進して争議を棚上げするとした。そして、互いに協議していく考えであると期待した。さらに「安倍総裁は台湾の大陸政策に不満があるのでは」との質問に対しては「おそらくそのようなことはなく、両岸の安定が重要で、日本も中国とは友好関係を保っていく事を希望している」と否定した。経済部の布顔祥部長も同日、「台湾と日本の経済協力および台日企業提携にとって、これまで以上にいい機会が生まれるのではないか」と期待感を示した。
また、今年11月に締結された「台日民間相互承認取決め」など、今後経済面でも台日間のさらなる拡大が望めるとし、「自民党はかねてより経済発展を重視した政策をとってきた。今後両国の経済提携がさらに拡大することになる」と新政権に期待を示した。ただ、財務部の張盛和部長は若干の懸念材料に「安倍総裁が推進する紙幣増刷の金融政策で急激に円安が進んだ場合、台湾の産業界にも少なからず連鎖的に影響する可能性があるため注視していきたい」とした。
さらに外交部の声明で安倍総裁について「祖父の代から3代にわたって台湾に友好的。一昨年も台湾を訪れ馬総統と会談しているなどを評価している」。そのうえで「台湾と日本は経済や文化など多方面で交流が進んでおり、自民党政権誕生で双方の関係がさらに安定的に発展することを確信している」と高い期待を寄せている。
一方、台北駐日経済文化代表処の陳調和副代表は「台湾に対して深い理解を持つ安倍政権は台日関係の推進に好材料になる」との見方を示している。