台湾物産館(本店:笹塚)は、2006年7月にオープンした。親会社の池栄青果株式会社は、台湾行政院農業委員会の東京でのアンテナショップ設立に際して、高いハードルの国際入札をクリアして委託運営事業の受注に成功したわけだが、背景には同社が台湾産マンゴーやパパイヤなどを長年、取り扱ってきたことがあった。
通常、専門店は800アイテムが常識と言われるが、台湾物産館は、250アイテムでスタートし、現在は450アイテムにまで品揃えを充実させている。
これまでで一昨年の売上げが4億4000万円と最高だった。台湾政府からの委託費は契約によって年度ごとに額が変動する内容となっており、店舗の営業努力に加えて、本部(池栄青果株式会社)のサポート態勢が重要になっている。
台湾から現在、輸入許可されている果物は、9品目だ。マンゴー、ライチ、バナナ、パイナップル、白柚、ぶどう、パパイヤ、ポンカン、ドラゴンフルーツ。2013年以降、増える見込みだが、売上げの中心は、マンゴーとポンカンだ。
「安定的に輸入されているのはバナナ、パイナップル、ライチ、ドラゴンフルーツの4アイテムでしょうか」(池栄青果(株)藤田克己社長)
委託販売のインセンティブ、輸入品目の拡大、燻蒸担当官の常駐問題など、台湾物産館にも課題はあるが「相場と天候が売上げを左右する世界」でいかに安定的な成長を実現できるか。新年度の方向性を担当の池栄青果株式会社朱亭錚主任は次のように話す。
「店舗は現在、安定しています。店舗にお出かけになる方は、台湾に興味がある方、台湾の方、昔、台湾に住んでいた方など限られていますから、今後、ネットショップやギフト(カタログ販売)に今以上に力を入れていきたいと思います」
これまでネットショップではヤフーが6年目、楽天が1年経ったところだという。「台湾物産館」は唯一の台湾の物販販売の専門店。本部との連携で来年以降の飛躍が期待される。