中国新旅券のイラストで難色
中国の新旅券(パスポート)の裏ページに、台湾の名勝地の景色のイラストが使用されていることについて、行政院大陸委員会(対中政策担当)は「台湾2300万人の感情を傷つける行為」「断じて受け入れられない」とする声明を発表した。さらに、「中華民国(台湾)は主権独立であり、中国はこの事実を正視するべきだ」と主張した。また、独立志向の強い民進党寄りとみられている台湾の一般紙「自由時報」は、ベトナム、フィリピン、インドが中国の新旅券に対しビザ発給で別の用紙を用意して具体的な抗議姿勢を打ち出したと報じ、「台湾内での声明発表では不十分」とした記事を大々的に掲載した。
中国の新旅券の裏ページには、中国の地域を代表する場所をイラストで図柄表示しており、天安門、万里の長城など同時に台湾の名勝地、日月潭や清水断崖なども描かれている。同委員会は「中華民国は主権独立の国家であり、固有の領土があり、中華民国憲法と両岸人民関係条例の規定により、今は一つの中華民国、二つの地区、中国大陸中華民国の存在を客観的に正視すべきだ」とし、続けて「さらにすでにある基礎の上で、論争を捨てて現実と向かい合い、両岸の平和、安定、発展に継続的に努力する必要がある」と声明を発表した。
陸委員会では、すでにある方法を通じて中国に対して中華民国の立場を示したとしている。