日本最大の大田市場花き部で期待される台湾の花

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 今、日本では、蘭、菊をはじめとしてアンスリュームやトルコキキョウといった台湾の花が多く輸入販売され、もしくは日台双方で種苗を仕入れて栽培・出荷し合うといったビジネスが盛んに行われている。

大田市場
大田市場

 この花の流通の中心となっているのが大田市場花き部(東京都中央卸売市場5市場の1つ)である。規模は、施設規模、取扱量ともに日本最大。卸売業者として2社、仲卸業者19業者、売買参加者(小売)1608名からなり、平成23年の切花、鉢物など合計金額は約472億円となっている。

 日本はもとより、オランダ、中国、中南米、コロンビア、南アフリカ、マレーシアといった世界の産地の中にあって、台湾の花をめぐり、新たな挑戦が始まろうとしている。

(左)大田市場花き事業共同組合の理事長笹岡恭亮(朱恭亮)さん(右)株式会社フラワーオークションジャパン(FAJ)の宮本至朗会長
(左)大田市場花き事業共同組合の理事長笹岡恭亮(朱恭亮)さん(右)株式会社フラワーオークションジャパン(FAJ)の宮本至朗会長

 大田市場(ほか5市場)の売買参加者(小売業者)を取りまとめている大田市場花き事業共同組合の理事長笹岡恭亮(朱恭亮)さんは台湾人華僑のひとりとして、大田市場全体の活性化に尽力すると同時に、今、台湾の花のビジネスの拡大に力を入れている。

 「これまで普通に事業をやってきたわけですが、たまたま5市場の代表という立場にもなりましたので、日本だけでなく、台湾やアジアの方とも広く交流したいと考え、(大田市場の)卸売業者の株式会社フラワーオークションジャパン(FAJ)の宮本至朗会長とも懇意にしていただくなかで、なんとかそれぞれの立場の花き事業者が自由に情報交換や商談が行える交流の場ができないか、模索しているところです。これには日本の農水省や台湾の経済部といった行政の方々にもぜひ協力をお願いしたい」(笹岡恭亮さん)

 笹岡さんによれば、現状では、まだ日本に入っていない花があったり、アジア地域にはクォリティが低い国があり、栽培技術の育成を含めた交流・協力体制によってこれを改善すれば、花き流通市場は一層、活性化するという。

台湾の種苗で栽培される蘭
台湾の種苗で栽培される蘭

 大田市場の2社ある花き卸売業者のうちの1つで、年間売高220億円のFAJ宮本至朗会長も「台湾の生産者は消費地(日本)の意見を聞いたらいいでしょうね。どういうものをどの時期に欲しいのか、どのようなボリュウムで欲しいのかとか。ともあれ交流の場をしっかり作ることが大事」と話す。

 宮本会長が今、注目しているのは台湾トルコキキョウだという。日本では栽培が難しい11月から3月までの間、日本の花き市場を元気にさせることができるのではと期待する。

 「私は台湾は日本列島47都道府県プラスワンだと考えています。それほど近いし、期待しています。また、私どもは生産者と買っていただく方(小売・仲卸など)の中間に位置していますが、この3つの組織がまとまっていないとダメですね。恒に話し合いが必要です」

 最後に笹岡さんは「大企業はともかく、中小・零細企業が交流する場が残念ながら今は少ない。なんとかしたいと思います」と力強く語った。