最大野党の民進党蘇貞昌主席および呂秀蓮前副総統、游錫堃前行政院長(首相に相当)は1月21日、新北市(旧台北県)で反核無懼の記者会見を行った。同市貢寮区に建設予定の第四原子力発電所にある燃料棒の挿入について「多くの新北市民が反対している」と強調した。蘇主席はさらに、2014年に行われる地方選挙に向け、第四原発についても公民投票が行われるよう「積極的に推進していきたい」とした。これは市民の意見を政府に反映させるのが狙いで、さらに蘇主席は与党国民党所属の朱立倫新北市長※にも協力を得て、反核の呼びかけを行うことを明らかにした。これに対し朱新北市長は「安全が確認できない状態で第四原発を稼働さることは良くない」と反発した。
民進党は以前から反核運動を推進しており、同党が新北市で行っている反核署名運動もすでに3万人の署名を突破している。これに対し与党国民党は、2004年の総統選挙で「民進党は核の公民投票と総統選挙を同時進行させ、陳水扁総統の二期連続当選の便宜を図るための策略」と反論している。
蘇民進党主席は「民進党はやるべきことをやっている。決して選挙のためではない」とし、また呂前副総統も「現在、既に公民投票を行うための署名は第一段階を過ぎ、今後積極的に公民投票が可能な16万人分の署名達成を目指す」と意気込んでいる。
第四原発は12年前新北市貢寮区で着工され、竣工が数度延期するなど始動期日が未確定。
※朱立倫…2010年11月の新北市長選挙で民進党の蔡英文前主席を破って当選。以後、新北市長を務めている。馬英九、胡志強とともに「馬立強」と呼ばれ、国民党の中堅世代の中心人物とされる。また、次期総統候補とも言われている。1961年、桃園県生まれ。
【写真提供:民進党国際部】