台北駐日経済文化代表処と台湾企業(中華航空日本支社=チャイナエアライン)が主催する在日台湾企業の定例懇親会が11日、都内で開催された。台湾を代表する大手企業の日本支社の代表などを中心として、75社以上が参加した。講演と懇親会という2部構成だった。
「この会は3カ月に1回、定例で開催しています。台湾の日本における企業が情報交換をし、ビジネスを展開し易い環境を作ることが狙いで、代表処がその場を提供し、また、毎回、台湾企業の1社に順番に協力をお願いし、共催する形を取っています」(駐日代表処余吉政副代表)。
午後5時半頃、挨拶に立った余吉政副代表は、幹事役として会の開催を準備した中華航空に感謝の意を表するとともに、講演者のみずほ総合研究所株式会社調査本部ASIA調査部中国室長伊藤信吾氏と台湾観光協会の江明清所長の紹介を行った。
最初の講演を担った前述伊藤信吾氏のテーマは「チャイナリスクと日本企業の戦略」だった。尖閣諸島問題を契機に関係が複雑化した中国に対して、日台企業は今後どのような戦略で臨むべきか。伊藤氏は、「日中関係の悪化と日本企業の戦略」「中国経済の変質と日台企業」「日台アライアンスの展望」といった内容を豊富なデータで解説した。「中国は当然、今後も重要ですが、他の地域や国とも様々な(ビジネスアライアンスの)機会を積極的に見つけてもらえればと思いますし、そのような提言ができて良かった」(伊藤氏)
続いて、台湾観光協会の江明清所長の講演が行われた。江所長は、「2011台湾への外国人旅客市場上位国別占有率」「日本及び台湾旅客年間往来者数推移2000~2011」といった様々なデータやメディアプロモーション(台湾観光CMスポット冬バージョン「思い立ったが台湾」編)の現状、日本各地における各種観光促進活動を紹介した。「台湾人は見た目は日本人と同じ、日本人にとっては肌の色の異なる欧米人と違い、プレッシャーもなく、言葉(漢字文化)も通じる」「道を訪ねれば行き先まで親切に案内する台湾人の温かさ」など、安心、安全な台湾観光の魅力をアピールした。
参加者は「中国リスクの話は大変、参考になった」「年間300万人の往来者が達成間近と聞いて嬉しい」など、講演内容を評価する声が聞かれた。
懇親会は、午後7時前、鍾明志中華航空日本支社長の乾杯の音頭で始まった。和やかな歓談の後、参加者は名刺交換や挨拶回りを行い、ビジネス交流の場らしく、情報交換に力を入れた。午後8時半過ぎ、「駐関東地区台湾企業聨誼餐會」は終了した。