日台関係の未来に向けて ~自民党若手議員たちの再起動~

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岸信夫衆議院議員
岸信夫衆議院議員

自民党の衆参両院からなる「日本・台湾 経済文化交流を促進する若手議員の会」(略称:日台若手議連)は2006年4月設立された。2009年8月30日に第45回衆議院総選挙で政権が民主党に移り、その後、昨年12月16日、第46回衆議院総選挙で再び政権が自民党に交代した。この政治変動期を経て、今、日台関係とどう向き合うのか。日台若手議連会長の岸信夫衆議院議員に聞いた。

Q昨年の参議院から衆議院の鞍替えで活動に変化は。

Aこの会を始めたときに私が参議院議員だったというだけで、もともと衆参両院一緒に活動してきました。変化はないですね。

Q昨年の総選挙での政権交代の影響は。

Aスタート時は衆参14人の議員が発起人となり、約30人余りのメンバーがいましたが、2009年の総選挙で衆議院の先生方がかなり落選されまして、活動も少しスローダウンしていました。台湾からお客様が来られたときは、対応していただきましたが、勉強会などは回数が減りました。それが今回の選挙でもどられた方もいますし、新しく当選された方もおられますから、台湾との関係を重視されている方にお声をかけながらきちんと勉強すべきことは勉強して、交流にも力を入れたいと考えています。

Q改めて日台若手議連の設立の狙いや会員の拡大については。

A会員の拡大は大事ですが、きっちり勉強すべきところは勉強していかないといけないと思っています。この会を立ち上げた当初は、外交関係がない中で、安全保障上は(台湾は)非常に重要なパートナーですし、どうすべきか考えなければなりません。アメリカは外交関係がなくなるときに台湾関係法を作ってスタンスをはっきりさせましたが、日本は台湾との関係は非常にいいのですけれども、まだ“定まって”いないところがあります。中国のありようによって台湾との関係が変わるのはおかしいと思います。この辺りはしっかり勉強していかなければなりません。

Q日華議員懇談会との関係は。

A日華議員懇談会は超党派ですし、ビッグネームの方もおられます。その意味で様々な交流の前面に出るのは日華議員懇談会かもしれません。日台若手議連は、初めて議員として台湾を見る立場になった方たちと将来の関係について考えてゆこうとしています。民進党や国民党の議員の方たちとも、おそらく自身が議員じゃなかったときは、コミュニケーションを持つことなどできなかったと思いますが、そういう方々とお話ができる立場になったわけですから、あまり気を使わずにいろいろなお付き合いができるところだと思います。

Q活動をしていくなかでの課題は。

A今、日台の民間交流は活発で、日本人、台湾人ともに双方の国に対していいイメージを抱いています。ただ、この関係というのは、ある意味、台湾の日本語世代に支えられているところがあって、若い人はポップカルチャーとかに親しみがあるのかもしれないけれども、本当に上の世代の、日本を理解している人がいなくなったときにどうなるのか、不安な部分もあるんです。であれば、世代的に、下の世代も含めてきちんとした交流をしてゆきたいと思います。

Q尖閣問題についてはどのような考えか。

A(台湾の)議員との間では尖閣のことでは噛み合わない。だけど、漁業の問題は政治できっちりやっていかないといけないでしょう。現在、漁業権交渉は16回で止まっているのはもったいないと思います。漁業資源の安定的な管理は必要だし、台湾も漁業に関しては主張があるということで、お互いに、日本の漁師さんが獲るところと台湾の漁師さんが獲るところが異なれば棲み分けもできるはずです。

2-1二番目弊社社主(銭妙玲)とCz
銭妙玲社主(台湾新聞社)