馬英九総統は4月13日、台北市の圓山・基隆河沿いにある「台北故事館」(3級古跡に指定、旧圓山別荘)の10周年イベントに特別ゲストとして出席した。馬総統はスピーチの席上、当時馬総統が台北市長だった際、合計22個の古跡を活性化したと述べた。その中で「光點台北」の建物は現在の総統府に似ているとした。また、日本統治時代の1919年に建成小学校として建築され、1993年までは市政府の建物として使用された「當代藝術館」は「修復を通し古跡本来の姿に蘇らせ、活性化後は市民の憩いの場所となっている」と古跡活性化による効果を述べた。
イギリス風建築物の「台北故事館」は、本来、晩清時代にお茶商人、陳朝駿の招待所だったが、その後に台北市政府認定の古跡となり、陳創始者からのサポートを受けながら改名、個人名義での古跡活性化の先駆け的存在となった。
馬総統はスピーチで「現在、台湾全国に768個の古跡があり、そのなかで台北市にもっとも多くある。以前、馬総統が台北市長時代に、当時の文化局長だった龍應台氏と共同で古跡の活性化に力を入れその結果、市民らに新たな憩いの場を提供するだけでなく、台湾の文化と歴史を維持、そして保護することにもなった」と台北市長時代の功績を強調した。
現在、行政院文化部長であり本紙でも紹介した「台湾海峡1949」(紀伊国屋じんぶん大賞2012受賞)の著者でもある龍應台氏(女性)は、北市文化局長在任中に22の古跡を活性化し、これらのスポットは全て台北の歴史的スポットになっている。古跡の活性化の実行は政府の決断力と想像力に大きく影響されるが、民間の協力も欠かせない。これまで企業家の張忠謀・台湾積体電路製造(TSMC)会長や陳國慈(同社法務長、スポークスマン)なども多大な貢献をしている。