台日文化交流実行委員会（国際佛光会東京協会）が主催する第二回台日文化交流が４月５日、盛大に開催された。午前１１時、開会式に先立ち東日本大震災で亡くなられた方たちに対して黙とうが捧げられた。
第一部開始。最初に挨拶に立った台日文化交流実行委員会邱美艶委員長は、昨年も４月第一週に第一回目を開催し、台北駐日経済文化代表処、豊島区、台湾観光協会など台日の各界の協力によって、昨年の来場者は、予想の４倍に当たる１万６０００人に上ったこと、２回目に当たる今回は昨年の反省点を活かし、出店ブースでは台湾で人気のベジタリアン料理を増やし、演技の面では客家の民族ダンスと歌を加えるなどの工夫を行ったことを報告した。
また、邱委員長「私たちは、東日本大震災に対する支援活動は、被災地の完全復興するまで続けます」と力強く宣言した。
続いて登壇した台北駐日経済文化代表処沈斯淳代表は、台湾は日本と同様自然災害が多く、お互いに支援しあう気持ちが強く、３．１１でもわが身のように受け止めて自発的に救援物資や義援金の寄付を行ったこと、３月のＷＢＣの東京ラウンドでは、台日相互のファンが注目するなか、応援は理性的で「台湾ありがとう」のプラカードを掲げて台湾チームの応援に回る日本人もたくさんいたこと、東日本大震災の被災地を訪問するなかで、被災者の強い復興精神に感激したこと、などに触れ、「台湾と日本の友好の絆をこれからも一層、大切にしていく必要を痛感致しました」と述べた。
三番手で登場した小池百合子衆議院議員は、「東日本大震災の折には、台湾の国民の皆さん一人ひとりから心のこもったご支援をいただきました。その額は２００億円を超え、これは世界を圧倒するものでした。これを機会にまた日本と台湾がしっかり手を結んで行こう、そんな気持ちの現れだったと思います」と台湾の国民に感謝した。
次いで、ＮＰＯ法人国際ブリアーの釋滿潤理事長は、自らの法人の設立経緯について語った。それによれば東日本大震災時に台湾から震災翌日に成田に到着したレスキュー隊が、国境の壁に阻まれて身動きできず、この時に知り合いのＮＰＯ法人の手助けにより、通行許可証を入手し、徹夜で高速道を飛ばして岩手県の大船渡市に着いたものの、震災から３日経ち、生存者の救出に間に合わなかったという。
「この体験からＮＰＯ法人の必要性を感じ、今年の１月に設立致しました。目的は、災害救援活動、救援物資の手配、被災者の心のケア、高齢者の慰問、青少年の留学支援です」（釋滿潤理事長）
この後、王貞治福岡ソフトバンクホークス株式会社取締役からの祝電披露、台日文化交流実行委員会（国際佛光会関東協会太田愛子会長）より、豊島区社会福祉協議会中村丈一会長への義援金寄附、来賓紹介、来賓による開会式テープカット、高野之夫豊島区長挨拶と続いた。開会式は午前１１時４０分過ぎに終了した。
一部は、武蔵太鼓演舞、新入生入学祝授与式（保育園から大学生まで）、豪華景品抽選会と続き、午後０時３０分頃に第二部（午後３時４５分）へと移行した。民族舞踊（敦煌禅舞集）、歌謡劇場（三湾美眉客家歌舞劇団）、太極拳（雲水太極拳）、日本舞踊（美鈴曾）、変瞼（台北孝雄友の会、宋碧華）、フラダンス（プアリリー＆ナープエオ）、歌謡曲（渡辺三夏、民族舞踊（吉祥舞団）、日本舞踊（知紫会）、太極拳（雲水太極拳）と続いた。
なかでも、三湾美眉客家歌舞劇団の牧歌的な踊りと歌に、観客は大いに盛り上がり、沈斯淳代表夫妻もステージに上がり、共演する一幕も。また、一瞬で顔全体に施した瞼譜を違う役のものに変える「変瞼」の技に驚きと歓声が会場を蔽った。
一部が終了する頃から雨が降り始めたため、休憩を省き、引き続き第三部へ。第二部で演奏した出演者に、新たに二胡、笛、琵琶（台日文化交流楽団）、太極扇（白文美）、民族舞踊（星雲グループ）、二胡演奏（林思悦）、民族歌謡（席茹）が加わった。
出店ブースが店を閉め、ステージの演目がすべて終了したのは午後６時前だった。
