行政院主計処(統計局に相当)が5月22日に発表した4月の失業率は、前月比0.1%改善して4.07%となり2008年8月のリーマンショック以降最低を記録した。主計処は「これは労働市場が安定してきたため」としている。また、主計総処国勢一斉調査処の陳憫副処長は、「労働市場はここ最近で徐々に安定してきており、失業率も過去最低水準に近づきつつある。このような安定して状況が当面の間続くだろう」としている。
台湾の4月時点の失業者数は46.4万人で、前月比1.1万人減となっている。このなかで元の仕事に不満をもって失業した人は5千人減少。新卒と季節労働者、臨時労働者の失業者数はそれぞれ2千人減少した。また、新たに就業した人数は前月比8千人の増加となり、なかでもサービス業に従事した人が一番多かった。
陳・副所長によると、6月の台湾の卒業シーズンを前に5月から卒業生が相次いで労働市場に参入することを念頭に置き、失業率がまた上昇するのではと警戒を強めている。
このほか消費者物価指数(CPI)を除いた後の1~3月の実質平均賃金は5万3689元となり、最近4年間で一番低い水準となった。これについて陳副所長は、「2009年の金融危機の時期に比べると、賃金は増加傾向にある」と強調した。