山口県美祢市は、台湾との交流活発化に向け、様々な活動を進めていく方針だ。同市は、昨年7月に「美祢市台北観光・交流事務所」を開設。その際、村田弘司市長らは台湾を訪問し、台北世界貿易センター内に於いて、中華民国対外貿易発展協会と共同で、開所式を行った。また、市長らは、南投県の李県長(当時)、水里郷の江郷長(当時)らにも表敬訪問を行い、各自治体との関係を深めた。山口県の市自治体の中で、海外に事務所を開設したのは美祢市が最初。また、日本全国で、市自治体が台湾に現地事務所を設けることも、前例がない。今年3月には、台湾との観光交流促進に貢献したとして、台北駐福岡経済文化弁事処から感謝状を贈られた。
台湾からの観光客を誘致を狙う美祢市の最大の観光地は、カルスト台地で知られる「秋吉台」大鍾乳洞の「秋芳洞」。さらには名水百選に選ばれた別府弁天地、動物公園のサファリランドといった景勝地も有名だ。
秋吉台は日本最大のカルスト大地で、北東方向に約16km、北西方向に約6kmの広がりを持ち、台地上の総面積は54㎢だ。東西二つの台地に分けられ、東側地域が凡そ特別天然記念物、国定公園に指定されている。秋芳洞は、秋吉台の地下100mから200m付近に位置する、日本では最大規模の鍾乳洞で、約1kmの観光路がある。特別天然記念物で、秋吉台国定公園に属している。共に、山口県や中国地方を代表する美しい景観を誇る。
美祢市は、「台北観光・交流事務所」を台北市に開設したことで、事務所を拠点として、台湾のニーズを把握し、美祢市の魅力を発信。観光振興策を展開し、美祢市や山口県への観光客、交流人口の拡大につなげたい考えだ。また一方では、地元山口県の住民向けに台湾旅行を企画する計画も視野に入れている。
市の関係者は、「山口県内の湯田温泉など、他の観光名所と合わせて美祢市にも訪れて欲しい。今後は映像や紙媒体を使って、様々な形で美祢の魅力をPRを打っていきたい。台湾も観光資源が豊富だが、台湾の方々にも美祢市の味わいを体感していただければ」と話している。