福祉車両の寄贈を積極的に行っている世界華人工商婦女企管協会総会(世華総会)は7月23日、台南市政府と同市内にある高齢者福祉施設を訪問、それぞれ福祉車両の贈呈式を行った。 これは、台湾政府が推し進める福祉拡充政策を支援するために寄贈されたもので、基隆市、台中市でも、同様の福祉車両寄贈を行っている。
台南市政府で行われた贈呈式では、頼清徳台南市長が歓迎。台南市には身体の不自由な人が9万3000人おり、全人口の5%に達している。頼市長はこの数値は他の自治体の平均値よりも高いと指摘した上で、介護タクシーの必要性を強調した。市の発表によると、6月末時点で台南市の介護タクシーは59台あるが、将来的には120台まで増加させたいとしている。頼市長は「台南市の身体の不自由な人、188万人の台南市民を代表してお礼を申し上げる」と感謝の気持ちを述べた。
式典には僑務委員会・呉英毅委員長も出席。呉委員長は挨拶の中で、「世華総会や海外の華僑団体が愛を永遠に台湾に持ち帰ってくれることに感激している」と語り、日頃の慈善的な活動に感謝を示した。また、世華総会の施郭鳳珠総会長は、台南市が二年連続して「価値のある都市第一位」に選ばれたことに言及し、今回の介護タクシーの導入で、さらなる市民サービスの向上に期待した。会場には地元の大台南分会と、大高雄分会の会員もそれぞれお揃いのポロシャツを着て参加。世華総会の結束力が垣間みれる贈呈式となった。
このほか、同市七股区にある高齢者福祉施設・佳里栄誉国民の家でも福祉車両などの贈呈式が行われた。この施設は退役軍人らが暮らしているもの。世華総会の一行は地元の幼稚園児による踊りや、中華民国空軍管弦楽団による演奏などによって熱烈な歓迎を受けた。施設の担当者は「バリアフリー車両の導入で、ここで暮らす高齢者が、外の人たちと一緒に交流する機会が増える」と喜びを語った。また、花蓮県にある系列の病院に対しては救急車一台が寄贈された。
日本から駆けつけた世華総会日本分会の謝美香会長は「社会や、福祉団体にお返しができること、そして自分の故郷に対して、国民外交の形で手助けができることはとても意義があり、嬉しいこと」と喜びを語った。