良好な日台関係を象徴するイベントが台南で開かれる。
昨年、台湾プロ野球リーグ(中華職棒)・統一ライオンズ(獅隊)で、最多勝のタイトルを獲得した日本人・鎌田祐哉氏の引退式が、7月12日、台南市の台南棒球場で開催。在籍した球団・統一ライオンズが鎌田投手の功績をたたえ行うものだ。
鎌田氏は2000年ドラフト2位でヤクルトに入団。2003年に6勝をマークするも、2010年に楽天に移籍。2011年末に自由契約になった後、昨年、台湾・統一ライオンズでプレー。統一でバッテリーを組んだ高志綱捕手は「コントロールがいい投手。繊細なボールの出し入れができる」と評価した。
台湾での鎌田投手は、切れ味鋭いスライダーと絶妙なコントロールを武器に、開幕11連勝をマークするなど最高の滑り出しを見せ、オールスターゲームでは日本人選手として初めてファン投票で選出。空前の「鎌田ブーム」を巻き起こした。台湾在籍中は、テレビ番組「緯来運動新聞」「大口吃遍台灣」の取材を受けるなど知名度、注目度ともに高かった。
しかし、後半戦、急激に失速。身上であるコントロールは影を潜め、逆球を痛打されるシーンが増えた。前期リーグは鎌田投手の活躍が牽引力となり統一が制したが、後期リーグは逆に鎌田投手の不調が響き、Lamigoに優勝をさらわれた。前期覇者と後期覇者が争う『台湾シリーズ』でも鎌田投手はノックアウトされ、Lamigoが台湾リーグ覇者となった。
前半の大きな貯金からシーズンで16勝をマークし最多勝を獲得。ベストナイン、ゴールデングラブ賞にも輝いた鎌田投手だったが、後半の不調が響き、今年の契約更新には至らなかった。鎌田投手は引退、現在、日本で新たな生活をスタートさせている。
台湾プロ野球は既に後期リーグがスタートしているが、良好な日台関係の風を受け、今回、統一球団が粋なイベントを開催する運びとなった。「更なる親密な関係性への誓いも込めて」と鎌田投手の功績をたたえ、【引退式】を開催。台湾で外国人選手の引退式が開催されるのは極めて異例。鎌田投手のヤクルト、楽天時代のユニフォームも展示され、本人によるサイン会も開催。鎌田投手のグッズも販売される。
日時:7月14日(日)午後3時20分〜午後4時20分
場所:台南市・台南棒球場(野球場)大ゲート