台湾ガイドブック「最好的台湾」で伝えたかったこと

0
「FRaU」神谷明子副編集長
「FRaU」神谷明子副編集長

講談社が2013年7月30日付けで発行した台湾ガイドブック「最好的台湾」は、大きな反響を呼んだ女性誌「FRaU」の台湾特集(2011年8月号及び2012年9月号)をまとめたものだ。“通常の切り口とは異なる斬新な特集”の背景を神谷明子副編集長に聞いた。

Q「FRaU」の台湾特集について

A「ありがとう、台湾」(2011年8月号)と「これからも、台湾」(2012年9月号)という特集号を発行させていただきました。実は、当初はリゾート地の紹介のような特集を考えていましたが、東日本大震災が起きて紙もなくなるんじゃないかという状況になったときに、たまたまネットで台湾のチャリティ番組を見ていたら2時間で20億円も集まったわけです。これは何だろうと、急きょ私と副編集長二人で台湾を訪れました。

行ってみると街のいたるところに“加油日本”(がんばれ日本)の文字。初めて会う台湾の人たちは涙を流しながら日本の心配をしてくれて「これまでは片思いをしているような感じでしたが、これからは両思いになれますか」と言われて一緒に泣いてしまったりということがあって。

こうしたことを持ち帰って「台湾の人たちはこうだった」と編集部に報告しました。ですから皆、気持ちを込めて作ったというか、ストレートに感謝の気持ちを伝えなきゃダメみたいな。もちろん、こういう旅の切り口で特集をやったのは初めてでした。

Q反響は

Aすごかったですね。ものすごく売れてやって良かったなというのと、同業他社の編集者から「先にやられちゃったな」という感じの言葉や「やってくれてありがとう」みたいな声をいっぱいいただいたんですよね。

Q昨年も特集を組んだが。

A台湾の方たちは気持ちが持続するというか、愛情が長く続く人たちだなと行ってみて感じたので、ちょっと1回で終わらせたくないと思ってもう一度、台南を加えて、もっと台湾の良さを伝えたいと思い、「これからも、台湾」を企画しました。それで今年はこの2回の特集をまとめて書籍化(ガイドブック)したと。おいしいお店やオススメのマッサージ店を紹介しながらも、本当のところは台湾の人たちの優しさや温かさを感じてもらえたらいいなと。

台湾ガイドブック「最好的台湾」
台湾ガイドブック「最好的台湾」

Q特集のポイントは

Aやはり女子は食べるのが大好きなのでおいしいレストランはゆずれないですね。食のこだわりの強い人間は多いので。あとは、日本人の口に合うというのも大切です。ですので日本人が食べておいしいレストランに絞っています。紹介件数は2泊3日の旅では多すぎても選びきれないので精選しています。

Q青木由香さんについて

A最初は台湾観光局に台湾特集をやりたいと話をしに行った時に、コーディネーターは日本人の感覚がわかっている人がいいと青木さんを推薦していただきました。青木さんには最初は取材のお願いをするつもりだったんですが、特集全体のコーディネートをお願いしたところ、「ありがとう、台湾」というコンセプトの特集は他の人にはやらせたくない、私がやりたい、やらせてください、みたいな言い方をしてくださって。本来はコーディネートはなさっていただけない方なんですがお願いすることになりました。

Q今後の予定は

Aガイドブックとしてはいいところは紹介できたと思っていますので、今後はもっと文化的な内容を紹介できたらいいなと思いました。原住民の音楽とか、より深いものに興味がありますね。