実行委員会が主催した第一回「アジア経営者ビジネスサミット2013」(井川幸広実行委員長)が9月17日、ザ・プリンスパークタワー東京で開催され、約」2000人が集った。実行委員会の中核はアジア経営者連合会(澤田秀雄理事長=エイチ・アイ・エス会長)が担った。
サミットは午前の部は、午前10時半スタート。特別対談として、「JリーグのアジアNO.1戦略」(日本サッカー協会最高顧問川淵三郎氏ほか)、「シニアからのチャレンジ」(俺の株式会社代表取締役坂本孝氏ほか)が行われた。
午後の部は、井川幸広実行委員長の開会挨拶、基調対談「アジアとともに成長する、日本の未来~日本の成長戦略を語る~」(経済産業大臣茂木敏充氏×一般社団法人アジア経営者連合会澤田秀雄理事長)及び「アジア新時代の日本と中国、韓国」(ERIA(東アジア・アセアン経済研究センター事務局長西村英俊氏ほか)へと続いた。
午後3時15分から午後6時45分まで、国別セッション&ジャンル別セッションが行われた。参加国は、台湾、中国、韓国、インドネシア、カンボジア、マレーシア、ベトナム、インド、フィリピン、シンガポールほか。また、ジャンル別ではIT、ヘルスケア、先端医療、ベンチャー投資、環境・エコ、リテール、製造など。
午後7時15分、ビジネス交流会&パーティが行われ、大会場には約1500人ほどが集った。冒頭挨拶した澤田秀雄理事長は、「あの、驚いています。当日の講演はガラガラじゃないかと思っていましたが朝10時半に立ち見がいるというのでびっくりしました。第1回アジアビジネスサミットが開催されていろいろな人に喜んでいただいて嬉しく思っています」と顔を綻ばせた。
続いて、アジア経営者連合会最高顧問(日本総合研究所会長)野田一夫氏、ERIA事務総長西村英俊氏が祝辞を述べた。
翻って、午後3時15分から行われた台湾セッションは満室となり、関心の高さをうかがわせた。最初に台北駐日経済文化代表処余吉政副代表が挨拶、日本と台湾は特別な関係にあるとし、地理的に近い、歴史的に深い関係(統治時代)にある、親日的(台湾人の50%は世界で一番日本が好き)、経済・貿易、投資面で緊密(双方向の貿易投資700億米ドル・日本からの投資案件昨年619件・投資保護協定・製品の相互認証協定など)といった例を挙げ、「日本と台湾企業はそれぞれ優位性があります。日本の技術力、ブランド、経営のノウハウ、台湾はマーケット力、大量生産、中華圏への優位性があり、日本と台湾は補完的に自分の優位性を提供し、ウィン、ウィンのビジネスモデルを作ったらいかがでしょうか」と締めくくった。
アジア経営者連合会台湾支局長の李鴻彬氏は、台湾、日本、中国の3カ国にとって今、三者の関係を推進していくには歴史的な良い時代だとし、その理由としてアベノミクス、2011年の日台投資協議締結、2010年中台経済貿易枠組み協定締結を挙げた。今後、台湾と中国との経済貿易関係はさらに活発になり、日本にとっても台湾との協力関係により大陸進出が可能性になり、外資企業にとって台湾はジャンピングボードになると思うと語った。「中国は今後、世界最大の工場から世界最大の消費市場へと変わっていきます。台湾と日本が提携すればアドバンテージを手に入れることができます」(李鴻彬氏)
この後、日本との提携を希望する企業3社(全方位整形外科診所医学美容中心、ECOMAXほか)のプレゼンテーションがあった。
最後にアジア経営者連合会台湾副支局(※)長秋山光輔氏がプレゼンテーションを行った。内容は、日本と台湾との違い、台湾を選んだ理由、注目の業種、台湾人情報収集源、秋山氏が代表を務める株式会社メディアウェイブの事業内容(台湾で現地法人を立ち上げ、facebookやブログを活用した広告プロモーションを行っている)だった。秋山氏は「台湾は今年、雑誌フォーブスでビジネスに最適な国アジア部門で3位に躍進しました」と述べるなど台湾のビジネスパートナーとしてのメリットを数々のデータを挙げながら説明し、参加者は熱心に耳を傾けていた。
※中核メンバーは日本人と台湾人が半々。これは台湾支局の考えとして、台湾在住の日本人の集まりでなく、積極的に現地の台湾人経営者と交流を図り、両者の協業をサポートするのが狙い。