台湾中西部・苗栗県頭份にあるスイーツショップが、日本人司会者の旅グルメ番組とのコラボ商品を発表した。発表したのは頭份にニューオープンした「厚食甜品屋」で、店名の「厚食」とは、客家(ハッカ)の言葉で「美味しい」を意味する。「厚食甜品屋」のオーナーシェフ・董孟修さんが、以前、台湾放送の番組「大口吃遍台湾」の日本人司会者・阿松氏と知り合った縁で、このほど、「日台友好のメッセージ」として商品を作ることはできないかと、企画したものだ。
コラボ商品の名称は「大口サンドイッチ」。「大口」と名付けたのは、日本人司会者が大口で台湾各地を食べ歩いた番組のテイストが台湾視聴者に受け入れられたことに端を発する。「大きな口を開けて豪快にかぶりついて欲しい」という董孟修シェフと阿松氏の願いも込められた。パンは天然酵母を発酵させたものを使用。生地に特徴があり、董孟修シェフが試行錯誤を重ね「外はサクサク、中は柔らか」という食感を生み出し、「日本人好み」の食感にも仕上がっている。具材には、うなぎ、えび、卵焼き、ローストチキン、ツナが使用され「日本」を意識した組み合わせとなっている。
董孟修シェフが北京でテレビ番組に出演していた時期、あるコンベンションで、日本人司会者の阿松氏との接点が生まれた。董孟修シェフが帰台した後も、二人の交流は続き、今回の商品開発に至った。苗栗県頭份は、日本人観光客が台北から向かった場合、國光客運で頭份駅まで行って歩くか、台湾鉄道の列車使用の場合は、竹南駅で降りてタクシーを使わねばならず、決して「交通が便利」とは言えない。それでも、昨今の「台湾旅行ブーム」の中で、「より深く台湾を理解したい」「多くの人が知らない『ツウ』の場所を訪ねたい」という日本人観光客の中の欲求は高まる傾向。頭份の「一見行きづらいような」場所にあるショップでも日本人をターゲットにできるのは、旅慣れた観光客が求める「通(ツウ)志向」「本物志向」が背景にある。上っ面の「観光」では飽き足りない客をターゲットにできるかは、「本物」の味を提供できるかにかかっている。
董孟修シェフは「日本人は非常に細かい部分まで味や歯ごたえを感じ取り、舌が肥えている。新しく誕生させたサンドイッチは、繊細な味覚を持つ方々にも満足していただけるはず。多くの日本人の来店を心から歓迎したい」と期待を寄せている。
【厚食甜品屋】
住所/苗栗縣頭份鎮信東路156號
営業時間/午前11時〜夜10時(火曜日休み)
電話番号/037ー668047