留日華僑の悲願であった東京媽祖廟が新宿区大久保駅前に完成し、10月13日、安座式典&祝賀会が盛大に開催された。
媽祖は航海や漁業の守護神として中国沿海部福建省や潮州を中心に、台湾ではとくに篤く信仰されている道教の女神。東京媽祖廟の本殿(3階)には、中国最古の媽祖廟と言われる福建・泉州天后宮から分霊された媽祖様、そして朝天殿(2階)には300余年の歴史を有する台湾・北港朝天宮の分霊された媽祖様を祀る。
午前10時から始まった安座式典には、詹徳薫・東京媽祖廟会長、台北駐日経済文化代表処沈斯淳代表、馮寄台・前代表、徐耀昌、黄文玲、呉宜臻、陳節如、姚文智の各立法委員、陳士魁・僑務委員会委員長、黄石城・前中央選挙委員会主任委員などが出席し、最初に落成記念のテープカットが行われた。続いて、3階の本殿に移動し、主催者、来賓が参加する形で滞りなく開光の儀式および上香の儀式が行われ、媽祖様が無事、鎮座された。
沈斯淳代表は、「媽祖信仰は、台湾の重要な信仰の一つ。こうして東京媽祖廟が創建され、東京に住む華僑の方々にとって信仰の拠り所になることは、この上なく喜ばしいことです」と今後の展開に期待を示した。
詹会長は、「建てるまでには近隣住民から反対の声があがるなど苦労もあったが、多くの人々の尽力と寄付によってこうして完成の日を迎え、人生で一番嬉しい一日だ。大久保にはたくさんの台湾人が住んでおり、廟が心の拠り所となることを望む。2020年までにこの周辺を台湾街または媽祖街にしたい」と力強く語った。
その後、来賓は1階に移動し、記念撮影に応じていた。
東京媽祖廟安座祝賀会は、午後6時30分から帝国ホテルにて実施された。冒頭挨拶した詹徳薫会長は、午前中の式典で述べたように、建設には5億円の費用を要したが、こうして完成の日を迎えられ、人生で一番嬉しい一日です、と挨拶した。次いで、陳士魁・僑務委員会委員長、日華議員懇談会平沼赳夫会長、台北駐日経済文化代表処陳調和副代表、日本媽祖会入江修正名誉会長、台灣北港朝天宮蔡咏鍀董事長、西田順三参議院議員、徐耀昌立法委員、黄石城・前中央選挙委員会主任委員が祝辞を述べた。
乾杯の音頭は日本中華連合総会毛友次会長が取った。宴は和やかに推移し、途中で台湾で高名な書道家張炳煌氏が登場。その場で文字を書くパフォーマンス。持参した作品と合わせて5枚を参加者に贈呈した。
最後に挨拶した連昭惠代表は「東京媽祖廟は改築という難しい方法でようやく完成にこぎつけました。いろいろ問題はありましたが、媽祖様のお陰で順調に今日に至りました。日本と台湾を往来する中での祝賀会ということで、こうした安座式典を開催できて誰よりも嬉しいです。今後、東京媽祖廟を通して、日本と台湾の文化をもっと促進させていきたい」と締めくくった。
この後、全員で媽祖の歌を合唱し、閉幕した。