台湾貿易センターが主催する台湾精密加工部品調達商談会が、11月12日、都内で開催され、台湾企業30社が出展した。出展部品は、ダイカスト、重力鋳造、熱間鍛造、プレス加工、CNC加工部品、ギア、ワイヤーハーネス、車軸ほか、航空・自動車・機械関連など。午前10時、台湾貿易センターの陳英顕東京事務所長、今回の商談会訪日団江彦騰団長(化新精密工業股份有限公司高級専員)の挨拶の後、開場となり、訪れた日本企業が目当ての台湾企業とさっそく商談に入った。事前に参加申込みがあった日本企業は約200社に上った。
従来は、工作機械や自動車といった用途別出展を行っていたが、本商談会は広範囲な業界・企業が一体となった形式。
参加企業の1つ、前述の化新精密工業股份有限公司は、精密機械・大型農機・自動車・船舶部品など各種金属素材の精密加工及び組み立てを行っており、台湾三菱自動車、台湾日産自動車、台湾フォード自動車のベンダー。海外拠点として、工場及び物流センターを中国、日本、アメリカなどに展開し、生産から物流までフルサポート体制を敷いている。売上高は日本円で年間23億円。社員数は184人。CMPグループの一員だ。
「弊社は海外輸出が70%、うち、40%が日本、15%がヨーロッパ、アメリカなど、国内が30%です。トータルソリューションベンダーを目指しています」(業務部日本組林文俊さん)
「すでに日本企業と取引はありますがより幅広い企業と仕事をすべく、チャンスを増やすために来ました。昨年は初参加で1社と商談が成立し、生産を行っています。台湾にはメリットがあります。大陸との生産コストの差がなくなってきました。また、台湾は品質がいいですし、親日です」(江彦騰高級専員)
一方、ハイウィン株式会社は急成長会社。工業ロボット、リニアモーター、精密ボールねじなどの精密部品を製造。この業種の世界のTOPメーカーは日本のTHKだが、ハイウィン株式会社の売上げはTHKの4分の1ほど。日本円で年間400億円以上。2位のポジションだ。製品の70%は輸出され、その半分は中国を中心に東南アジアが占め、ほか北米、ヨーロッパ、日本の順。
「日本は約10%ほど。競合がいますから。弊社は世界に7つの現地法人を持ち、海外で調達しやすい環境があります。今年も韓国、シンガポール、イタリアに子会社を設立しました。大きな取引先が日本にすでにあるのになぜ来るかと言えば、日本の工作機械メーカーも海外メーカーとの競合が激しく、コストダウンしなければ売れない状況で、私たちにもまだお手伝いのチャンスがあること、また、すでに取引があるところでも量が増やせるところ、工作機械以外でも、半導体産業、医療機器など未開拓の分野があることなどがあります。そんなわけで、日本に限らず、世界の商談会や展示会に数多く出展して知名度UPを図っています」(東京支店営業部支店長代理牛島鶴之さん)
最後の例は、義高工業股份有限公司。同社は製品の95%がOEM製品。カスタマイズの金属部品やアセンブリ製品を製造する。取引先は、日本のほかにアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどがある。
「弊社は、オリジナル製品ではなく、お客様からオファーをいただいて、特定のジャンルに偏らない形でどんなものでも作ります。方法として得意分野が異なる他の中小企業の力を借りて、力を合わせて注文に対応しています」(海外業務部呉中軒さん)
強みは、これまでの30年間の経験。
「弊社は、生産のサポート、コンサルティングを得意としています。30年の失敗から学んだ経験がありますから。こうしたらより安く作れますよと量産技術をアドバイスしたりしています」(郭田坤技術業務部経理)
日本の大手オフィス用品メーカーと取引があり、同社の技術力が高く評価されている。