台湾プロ野球リーグ(中華職棒)のドラフト会議(選秀會)が11月28日行われ、今シーズンまで日本・阪神タイガースで活躍した台中出身の林威助選手は、兄弟エレファンツが3巡目で指名し、交渉権を獲得した。
今年のドラフト会議は、鄭凱文選手(元DeNA)や許銘傑選手(元西武)ら日本で活躍した選手が登録するなど注目されるものとなった。鄭凱文選手は兄弟から1巡目指名、許銘傑選手はLamigoが2巡目で指名、義大は蕭一傑選手(元阪神)を3巡目で指名した。
兄弟エレファンツは、経営体制やチーム名などについてまだ流動的な状況にある。中国信託に売却されたが、同社は次期スポーツくじの運営権を持つなど、様々な問題が懸念されている。林威助選手が入団に至るかどうかは今後の交渉次第となる。
林威助選手が高校生の時から親交がある日本人キャスターの阿松氏は「林選手が台湾でプレーするかどうかはまだ決まっていないが、プレーするとしたらクリーンな環境で全力を尽くして欲しい」とコメントした。
林威助選手は、福岡県柳川高校に野球留学、近畿大学を経て、ドラフト7巡目で阪神に入団。台湾代表メンバーとしても2004年にアテネ五輪、2006年、2009年にWBCに出場した。阪神では2007年に115試合、打率.292、15HRで成績を残すも、2008年以降は肩、膝靭帯の故障に悩まされた。昨年以降は出場機会が減少、2013年も1軍では1試合での出場にとどまり、オフに戦力外通告を受けた。林選手は、今年11月10日に静岡県・県営草薙球場で行われたトライアウトに参加、2安打2四球の4出塁という内容で、攻守にわたってアピール。日本球界からのアプローチを待ったが、現時点でオファーは届いていない。日本プロ球団でのプレーを最優先にしていた林選手が、母国・台湾で、兄弟エレファンツに入団するのか・・・日台のプロ野球関係者、ファンからの注目が集まる。