東京・青山のライブハウス「青山・月見ル君想フ」は、2月9日、日台音楽交流イベント“春節のかりゆし2014 ROMANTIC TAIWAN「音楽快楽!」”を開催し、台湾ファンを喜ばせた。同イベントは、“台日系”カルチャーの普及を目指すクリエイティブエイジェンシー「LIP」の協力を得て、「青山・月見ル君想フ」がここ数年続けている新年快楽的な人気イベント。
当日の出演は、4バンドだった。
出演順は、台北出身の女性ボーカルMINを中心とするエキゾチックポップバンドで日本で活動する杏窪彌(アンアミン)、台湾で有名な野球選手張泰山の私設応援団として結成され、日本で活動する自称“台湾系ゆる歌DUBバンドと名乗る張泰山粉絲團(ボーカルの台湾人女性amandaは2012年9月に加入)、台北の三人組ロックバンドで90年代のポストロック、特にノイズロックのYola Tango、Sonic Youth、Dinosaur Dr.などの影響を受けているという橙草(同バンドは、2006年に発行したファーストEP<Rainbow4AM>が好評で、主要な大型フェスティバルに出演中)、そして、2000年に結成以来、3枚のアルバムを制作し、台湾での大型フェス出演をはじめ、ニューヨーク、シンガポール、香港、中国など各地フェスティバルから招待されるなど台湾インディーズシーンを牽引し続けている、ボーカルのクッキーを中心とする熊寶貝樂團(2011年に発表したシングル「一個人的天光」が南方原創影音大賞の「最佳編曲人獎」を受賞)だった。
午後7時開始。日本で活動する杏窪彌(アンアミン)、張泰山粉絲團がそれぞれ30分ずつ演奏した。曲の合間の中国語と日本語が交錯する軽妙なトークを交えて情熱的な演奏が披露されると台湾ファンの聴衆は静かにそして熱心に聞き入っていた。
第二部、台北から招聘された橙草が登場。会場を嵐のような激しいドラム、叫ぶ続けるギターが支配した。トリは熊寶貝樂團だった。時間は午後9時30分を回つていた。ボーカル&ギターのクッキーがシャウトし、ドラムが小気味のいいリズムを刻み、2本のギターが聴衆を引き込んでいった。アンコールを終えたのは午後10時30分過ぎだった。
演奏終了後、楽屋で熊寶貝樂團のメンバーのインタビューを行った。4人のメンバーは、ボーカル&ギターのクッキー、ギターのウェイ・チュン、ダウェイ、ドラムのチェン・ハン。
Q今日の演奏の感想は?
クッキー:バンドとしては2回目の来日。前回は7年前。その時の感想と同じですね。日本のライブハウスの音処理のレベルの高さはすごいし、仕事もちゃんとしていてリスペクトしています。台湾の別のバンドのパフォーマンスも勉強になります。
ウェイ・チュン:ライブハウスの音処理がすばらしい。僕はプライベートでも日本によく来ていてライブハウスを回っています。今回は新しいメンバーと来れて良かった。
ダウエイ:日本は初めてで新鮮で興奮しています。やはり音処理がすごいです。アジアで一番の音処理を経験しました。
チェン・ハン:日本は初めて。大雪で大変だった。日本のバンドは日本のカルチャーや個性を生かしていてすばらしい。
Q日本人のファンのなかに台湾への留学経験者や合湾での仕事の経験者がいたが。
クッキー:2000年の結成で長く活動しているバンドです。2006年に初めてアルバムを出してから8年目。知名度はあると思います。
Q賞を取っているが。
クッキー:いちばん大切にしているのは最初に取ったシングル曲ですね。台湾語の曲で1年間、その曲で頑張りました。
Q日本の好きなバンドは。
クッキー:椎名林檎
ウェイ・チュン:EMB
ダウエイ:スーパーカー
チェン・ハン:ラルク・アン・シェル
Q日本にはどこに行きたいか。
全員:北海道(この後、京都で観光をかねてライブ出演)。