昨年9月、台湾で日台親善コンサートを開催するなど、北海道と台北を拠点に活躍する、シンガーソングライター真氣に、これまでの軌跡を聞いた。
Qデビューのきっかけは。
A大学卒業後、某研究所でOLをしていました。歌の道を選んだのは「詞を届けたい」「シンガーソングライターになりたい」という気持ちから。2005年に初めて北海道・道東を旅行した際、タンチョウ(鶴)に出会い、その美しさに感動し、絶滅の危機にあることに驚き、ツルの保護に携わる人々の話を聞く中で“希少価値”や“共存”を訴えたい、発信したいと思うようになりました。結果、生まれたのがオリジナル曲「サルルンカムイ~湿原の神~」です。リリース後、道外からツルに魅せられた女がいるということで、地元ラジオ局や企業のイベントやパーティなどで歌わせていただくようになりました。また、釧路新聞で3年半、ツルをテーマにしたコラムも連載しました。
Q台湾との関わりは。
A2009年に台北でカンボジア支援のチャリティコンサートが日台のロータリークラブの主催で企画され、たまたま日本側のロータリークラブに知り合いがいたことから声がかかりました。それまで私の活動のベースに台湾は入っていませんでしたが、この時台湾の皆さんにとてもよくしていただいて、私のなかに台湾の存在が芽生えました。
Qメジャーデビューは。
A2011年3月11日の東日本大震災の後、台湾の方々に感謝の気持ちを自分の言葉で伝えたいと考え、3カ月の予定で台湾に語学の勉強のために滞在しました。2カ月が過ぎる頃に所属事務所から連絡が入り、メジャーデビューが決まったと。予定の滞在一ヶ月を前に帰国しました(「サルルンカムイ~湿原の神~」9月21日リリース)。
Q北海道観光PRキャラクターに選ばれたが。
A2012年に台湾に対しての北海道観光PRキャラクターに選ばれました。北海道出身ではない私が選ばれたのは「サルルンカムイ~湿原の神~」を歌っていたからだと思います。この年は、台湾のテレビの旅行番組に出演してナビゲーター役を務めたり、番組内でツルを宣伝したり、観光PRのステージで歌ったりしました。
Q昨年はどんな活動を。
A台湾のテレビ局から台湾と北海道が舞台のドラマへの出演のお話をいただき、初めてドラマに出演しました。8月には台北で記者発表会がありました。同月に栃木県足利市の高校の姉妹校である台北市成功中学校に招待されて生徒さんと交流しました。急きょアカペラで歌いました。そして、9月には台湾の方への感謝の意を込めて日台親善無料コンサートを台北で開きました。500人が入る会場で、“客の入り”が心配されましたが皆様の応援のお蔭でいっぱいになりました。この時、初めて中国語で書いたのがオリジナル曲「從心底謝謝你」(心からありがとう)です。今年も台北でのコンサートを考えています。12月には北海道釧路空港でのアイヌ文化情報発信セレモニーに招かれ、「サルルンカムイ~湿原の神~」を歌い、ちょうど台湾の皆さんが大勢来日しておられたので、「從心底謝謝你」も歌いました。台湾の方の中には、涙を流して聞いてくださっていた方もいました。
Q今後の予定は。
A311東日本大震災から丸三年となる3月11日に、在台湾の有志が立ち上がり、台北国賓大飯店にて「311東日本大震災三周年追悼・感恩会」が行われます。各団体代表のご挨拶や黙祷、献花などが予定されていますが、その中で台湾の皆様に謝意を伝える歌として「從心底謝謝你」を歌わせていただきます。ひとりでも多くの台湾の皆様に感謝の気持ちをお届けしたいと思いますので、是非ご参加いただきたいと思います。
【311東日本大震災三周年追悼・感恩会】
日時:2014年3月11日 開場/12:30 開始/13:00
会場:台北国賓大飯店2F 国際廳
主催:311東日本大震災三周年追悼・感恩会実行委員
運営:311東日本大震災三周年追悼・感恩会実行委員事務局
後援:財団法人交流協会 台湾日本人会
※当日の入場は無料です。
プロフィール
真氣 栃木県足利市生まれ。大学卒業後、某研究所OL時代を経て、シンガーソングライターに。2005年北海道道東でタンチョウ(鶴)と出会い、処女作「サルルンカムイ~湿原の神~」を作詞・作曲(CD発売)。以後、北海道を中心にライブ、ラジオ出演、コラム執筆などを開始。2008年、「アキザクラ」リリース、2009年、台湾で行われたカンボジア支援チャリティコンサートに出演。2011年「サルルンカムイ~湿原の神~」にてメジャーデビュー(VAP)。2012年、台湾に対する北海道観光PRキャラクターに起用される。2013年、台湾ドラマ「我・愛・你・愛・你・愛・我」出演。同年、台北で3.11支援に対する感謝の意を込めて「日台親善コンサート」を単独開催。中国語曲「從心底謝謝你」を歌う。
從心底謝謝你