台湾経済部国際貿易局が主催(台湾貿易センター実施)する「台湾スマート・グリッド産業フォーラム2014」(※)が、東京ビッグサイトで2月27日、開催された。これは、2月26日~28日まで開催された「第4回国際スマートグリッドEXPO」に関連して実施されたものだ。
今回のフォーラムでは、台湾スマートグリッド産業協会の林法正理事長(テーマ「台湾におけるスマートグリッドの発展」)、大同公司 新スマートグリッド事業部林常平本部長(テーマ「台湾におけるAMIの現状と発展」)、中興電工機械股份有限公司マーケティング部陳崇賢部長(テーマ「マイクログリッドがもたらすビジネスチャンス」)が講演を行い、会場に詰めかけた関係者は熱心に耳を傾けていた。
台湾貿易センターの陳英顕東京事務所所長はフォーラムの開催に当たり、次のように述べた。
「日本も台湾もエネルギー産業を育てようとしていますが、台湾の場合、実用化のスピード、つまり、商品化が早い。ということはここにビジネスチャンスがあるということです。そのチャンスに当たって台湾の専門家をお呼びし、セミナーを開催したということです。台湾にはたくさんの関連部品企業もありますからね」
「第4回国際スマートグリッドEXPO」のブースを訪ねてみた。長園科技實業股份有限公司はリチウムイオン電池の材料を製造・販売するメーカー。鉄系のリチウムイオン電池は、リン酸鉄を使うものと酸化鉄を使うものがあるが、同社は台湾にしかない酸化鉄の材料を扱う。
「同社は特許をもっています。材料面から安全性にも優れています。用途のひとつとして今回、展示している非常用電源があります。これはソーラーパネルも装備し発電もできる優れものです。私は日本の代理店ですが、より販売網を拡大すべく出展しました。1日、100社の来訪が欲しい」(株式会社豊通マシナリー産業機械部東京機械グループ産業機械チーム課長代理多田裕樹さん)
一方、大同股份有限公司の陳杰克さんは、「弊社はすでに日本の大手メーカーと提携していますが、今回初めて出展したのは台湾の現状を知ってもらいたいと考えたから。台湾では弊社は台湾電力と取引があり、AMIシステムは、設置完了済です。日本では、関西電力、東京電力と商談ができたらと思っています。強みはカスタマイズの能力です。また、今回出展している海外企業にも興味があります」と述べていた。
※スマートグリッド (smart grid) とは、従来のアナログ式電力量計と異なり、電力をデジタルで計測し、メーター内に通信機能を持たせた次世代電力量計、スマートメーター(Smart Meter)を利用し、通信・制御機能を付加した電力網のことだ。アメリカの電力事業者が考案した。メリットとして、停電防止や送電調整のほか、様々な電力契約の実現や人件費削減等が挙げられる。現状、各国で実用化に向け、実証実験が行われている。日本では、関西電力、東京電力に続き、中部電力がスマートメーターの導入を決定するなど、東芝や日立製作所をはじめ各社の動きが活発化している。
こうしたなか、台湾政府は省エネ環境推進のためAMI(知能型電気メーターシステム=アドバンスド・メータリング・インフラ)のプロモーションに尽力し、近年では、発電から送配電に至る過程において、スマートグリッド関連設備の普及が急速に進んでいる。