台湾からのビジネス研修生が、「正座」でお茶の文化を学んだ。福岡県と台湾貿易センター・国際企業人材育成センター(ITI)が実施する「ビジネス研修プログラム」に参加の台湾人研修生23人が、日本の伝統的な「お茶の文化」を体験した。
訪れたのは「博多の食と文化の博物館(ハクハク)」や「麻生塾」など福岡市内の数カ所。麻生塾で「茶道」を体験した研修生達は、裏千家・宮井芳子先生の指導の下、『茶菓子の食べ方』から、『お茶の入れ方』、『飲み方の作法』などを学んだ。台湾人研修生は、畳の上で緊張した表情を見せていたが、覚えるにつれ笑顔もこぼれるようになった。日本で初めての「茶道」に挑戦した研修生の蔡馨慧さんは「貴重な体験ができた。難しかったけど、異文化に触れて楽しかった」と感想を語った。鐘方伶さんは「日本の作法は丁寧で勉強になる。有意義な時間だった」と振り返った。鐘昕妤さんは「台湾にも『擂茶の文化』はあるが、日本ほど細かくない。日本で本格的な作法を学べて嬉しい」と話した。
指導した宮井先生は「台湾人研修生達は言葉は違うが『日本の文化を習得しよう』という熱意を持っている。真剣な姿勢に教え甲斐がある」と研修生達の取り組む姿勢を評価した。正座の仕方、手の動作に加え、「どうぞお菓子のお取り廻しを」「お点前頂戴致します」など、問答の言い回しなども習得。また、ふくやが運営する施設「ハクハク」も訪れ、福岡の名産でもある明太子の製造工場見学や、明太子づくりを実際に体験。研修で緊張が続く毎日の中で、有意義なレクリエーションとなった。